KubernetesをOpenStackに統合するGoogleとMirantis。OpenStackがDockerコンテナのIaaSに
DockerのオーケストレーションツールであるKubernetesを開発したGoogleと、OpenStack専業のSIerであるMirantisは、共同でKubernetesをOpenStackに統合すると発表しました。
Kubernetesとは、Webサーバとデータベースのような複数のアプリケーションから構成される分散アプリケーションを、複数のDockerコンテナ上にデプロイし死活管理などをしてくれるツール。
参考:Dockerを管理するKubernetesの基本的な動作や仕組みとは? Kubernetesを触ってみた。第20回 PaaS勉強会 - Publickey
しかしKubernetesはコンテナレベルのオーケストレーションツールであり、コンテナの基盤となる仮想マシンや物理マシン、ネットワーク構成などはあらかじめ用意されていることが前提となっています。
KubernetesをOpenStackに統合することで、Kubernetesが必要とする仮想マシンやネットワーク環境の構築を、オンデマンドで自動的にOpenStackがオーケストレーションツールのHeatなどを用いて構成してくれるようになる、というのが今回のGoogleとMirantisが実現することです。
これによって、OpenStack上でDockerをベースにした分散アプリケーションのデプロイと運用がより容易に行えるようになります。
OpenStackのカタログ機能「Murano」でアプリケーション環境を設定
具体的な操作は、OpenStackでアプリケーションをカタログとして管理できるツール「Murano」上で行います。以下は、説明動画から。
Muranoでドラッグ&ドロップ操作によって、Kubernetes、Kubernetesで管理するPod(コンテナの集まり)を設定。
さらにMuranoでKubernetesで運用するDockerコンテナ上のApache Webサーバを設定。
デプロイボタンを押すと、自動的にOpenStack上でリソースが構成され、KubernetesによってDockerコンテナ上にアプリケーションがデプロイされます。
Kubernetesを統合したOpenStackは、4月にMirantisのサイト「OpenStack Express」でテクニカルプレビュー版が公開されるとのことです。
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