開発中のアプリ画面がWin、Mac、iOS、Android、スマートフォン、タブレットでどう見えるか一括チェック「マルチデバイスプレビュー」機能を備えたRAD Studio XE8、エンバカデロから
DelphiやC++で開発が行える統合開発環境「RAD Studio」の最新版「RAD Studio XE8」がエンバカデロ・テクノロジーズから発表されました。
RAD Studioの最大の特長は、Windows上で、MacOS X、iOSやAndroidなどクロスプラットフォームのアプリケーション開発が行える点です。今回の主な強化点は、このクロスプラットフォーム対応と、Intenet of Things向けの開発など。
複数のデバイスでの見かけを一括でチェック
主な強化点の1つ目は、マルチデバイスプレビュー機能。これは開発中のアプリケーションの画面が、Windows、MacOS、iOS、Androidの各OSで、しかも異なる画面サイズごとにどう見えるかを一覧できる機能です。
どのOSのどのサイズでプレビューするかを設定することができ(上記画面の左側)、プレビュー画面が中央に一覧で表示されるため、いちいち個別のデバイスでチェックする手間を省くことができ開発生産性を高めることにつながります。
RAD Studioではアプリケーションの開発時に「マスター画面」を作ることができ、このマスター画面から各OSと画面サイズごとに画面の内容が継承されます。
上記のマルチデバイスプレビューでは、そのデバイスをダブルクリックすると継承された画面の設定画面が表示されるため、そのOSと画面サイズごとに最適に画面をカスタマイズすることができます。
iOSネイティブなUIコンポーネントが利用可能に
Rad Studioではこれまで、すべてのUIコンポーネントをFireMonkeyフレームワークによって独自に描画していました。FireMonkeyが持つUIコンポーネントは独自コンポーネントながら、プラットフォームごとにピクセル単位でまったく同じ見かけを持つものが用意されており、それにより同一ソースコードのままクロスプラットフォーム対応を実現していました。
今回のバージョンから、iOSの主要なUIコンポーネント(TMemo、TListView、TSwitch、TEdit、TCalendar)については、OSネイティブのものを選択して利用することが可能になりました。これにより単一のソースコードを保ったまま、iOSがアップデートされてUIコンポーネントの機能もアップデートされると自動的にその新機能が利用できるようになります。
これまでと同様に、RAD Studioでは単一コードからプラットフォームごとにネイティブなバイナリを生成するようになっています。
BluetoothやBeaconにも簡単に対応
Internet of Things対応に向けて追加された新機能がBluetooth関連のコンポーネントの強化です。
RAD Studioでは、Bluetooth対応のコンポーネントが用意されており、これを画面上にドラッグ&ドロップするだけでアプリケーションをBluetooth対応にすることができるようになっています。
新バージョンではこのコンポーネントがBluetooth Classicにも対応。Bluetoothの主要なプロトコルに対応することとなりました。また、ビーコンに対応したコンポーネントも追加し、ビーコン機能もアプリケーションに容易に組み込み可能となりました。
また、アプリケーションの利用状況などを分析できるWebサービスをエンバカデロが提供することも発表されました。RAD Studioで開発されるデスクトップ、モバイル、サーバアプリケーションに対してコンポーネントを置くだけで分析機能が追加されます。
ただしアプリケーションを実行しているマシンがインターネットに接続されていることが必要となります。
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