IBM、Dockerベースの「IBM Container」をPowerやSystem zにも対応、オンプレミスで動く「Bluemix Local」も。InterConnect 2015
IBMは毎年、ラスベガスやフロリダで大きなイベント「Pulse」「Impact」「Innovate」などを開催してきました。実はこれらのイベントは、TivoliやWebSphereといった製品ブランドごとに主催が分かれたイベントでした。
そのIBMが現在ラスベガスで開催中のイベント「InterConnect 2015」は、これら製品ブランドの垣根を越えてクラウドを軸にした大型イベントです。それだけ同社はクラウドに、具体的にはSoftLayerとBluemixを中心とした製品群とサービスに賭けているのです。
そのInterConnect 2015、初日となる2月23日付けの基調講演で、クラウド関連の発表がいくつか行われています。
同社のイベントはこれまでもそうでしたが、新製品やサービスの発表には力点が置かれず、1万人、2万人と集まった会場のオーディエンスに対して、今後のビジネスにおける変革の方向性、その手段としてのITのあり方やビジョンといったビジネス寄りの話が中心です。そのため、発表に関しても非常にあっさりしたものでした。
ハイブリッドクラウドを軸に、コンテナ、PaaSなどを展開
ここでは基調講演で発表された(過去に発表済みのものも含む)、主なものを挙げましょう。
IBMのクラウド戦略の軸はハイブリッドクラウド。よりセキュアで、ユーザーがコントロールでき、内容の透明性を確保する環境を構築することを強調。
そのためにオープンなシステム、オープンソースが重要になる。
- SoftLayerでOpenStack as a Serviceを提供
(おそらく、SoftLayer上でユーザーごとにOpenStackのIaaSを立ち上げられるものと思われる) - クラウド環境でのPoser Systemの提供
- エンタープライズ向けDockerベースのコンテナ「IBM Container」を提供する
- ベアメタル上でもコンテナを実行可能にする
- (コンテナイメージの)プライベートレポジトリも提供する
- Bluemixでのコンテナ対応
- コンテナをPower System、System zに対応させ、コンテナのポータビリティを提供する
参考:IBMとDockerが戦略的提携。BluemixでもDocker対応の「IBM Containers」が利用可能に
- アプリケーション開発に適切なAPIを探せるマッチングサービス「API Harmony」の提供
- オンプレミスとクラウドを安全かつ簡単に接続する「Secure Passport Gateway」の提供
- ローカル環境で稼働するPaaSの「Bluemix Local」
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