日本IBMがSoftware-Defined Storage戦略を解説、すでにお客様の本番環境で使われた実績があると
日本IBMは5月18日、ストレージ機能をソフトウェアで実現するSoftware-Defined Storage戦略と新製品について発表会を開催しました。
同社のSoftware-Defined Storageは複数の製品からなる「IBM Spectrum Storageファミリー」として構成されています。ほとんどがx86サーバ、いわゆるコモディティサーバにインストールして利用するソフトウェアです。
左下の「Spectrum Virtualize」は、配下に複数のSANストレージを接続し全体を仮想的な1つのストレージプールにするソフトウェア。IBM以外の主要なストレージベンダの製品にも対応します。これまでIBM SAN ボリューム・コントローラー(SVC)と呼ばれていたものです。
「Spectrum Accelerate」は、3台以上のサーバをクラスタ化して高性能な1つのストレージを構築するソフトウェア。同社のハイエンドなストレージアプライアンスである「XIV Storage System」で使われているソフトウェアを独立させたものです。
「Spectrum Scale」は、スケールアウトなファイルサーバを構築するソフトウェア。
「Spectrum Archive」は、テープドライブに対して仮想的なファイルシステムを用意し、ファイルやディレクトリアクセスを実現するソフトウェア。これまでIBM Linear Tape File Systemと呼ばれていたもの。
いくつかの製品は既存の製品をリブランドしたもの。同社がこうしたSoftware-Defined Storage関連の製品群を「IBM Spectrum Storage」ファミリーとして1つのブランドにまとめたのは今年の2月から。
IBMシステムズ・ハードウェア事業本部 ストレージセールス事業部長波多野敦氏は、IBMのSoftware-Defined Storageのソフトウェア群の多くはすでにお客様の本番環境で何年も使われてきた実績のある製品で構成されており、これが他社製品と大きく違う点だと胸を張ります。
SaaS型クラウドサービスのストレージ監視機能も
また今回新しく、ストレージの運用監視を行う「Spectrm Control Storage Insights」が発表されました。これはソフトウェアではなく、ストレージの消費量などの運用監視を支援するSaaS型のクラウドサービス。ストレージの消費量を部門別やアプリケーション別に把握することが可能。価格は未定で6月29日から利用可能に。
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