企業などがIaaSへ支払う金額はこの1年で33%増の1650億ドルへ、ガートナー
米調査会社のガートナーは、2015年における企業や政府、個人などIaaSへの支出の合計はワールドワイドで2014年と比較して32.8%増となり、金額にして165億ドル(1ドル110円で1兆8150億円)になるとの予想を発表しました。2014年から2019年までの平均成長率は29.1%。
ガートナーによると、2014年にパブリッククラウドのIaaSでのワークロード(処理)の成長はオンプレミスにおけるワークロードを初めて上回り、同社のCIO調査では83%がIaaSを検討し、10%がすでにクラウドファーストを採用してIaaSをデフォルトのインフラとして選択しているとのこと。
IT支出におけるIaaSの割合は4.5%程度
クラウドの成長に対し、今年の4月に同じくガートナーは、2015年のワールドワイドのIT支出はドルベースで1.3%減、ただし為替変動が主要因という予想を発表しています。
つまりITの支出が伸びない中でIaaSへの支出は2019年まで平均3割ずつ伸びていくということで、これはオンプレミスへの投資、サーバやネットワーク機器やストレージやパッケージソフトウェア、保守などへの支払いが減っていくということを意味しています。
この発表ではワールドワイドのIT支出が3.66兆ドル(約402兆6000億円)と予想されており、この数字を前述のIaaSへの支出と組み合わせて計算すると、IT支出におけるIaaSへの割合は約4.5%と計算できます。
ハイパージャイアントが成長を牽引
IaaSの支出が約30%ずつ毎年伸びていく中で、Amazonクラウドやマイクロソフト、Googleなどのいわゆるハイパージャイアントはどのように位置づけられるのかを、Synergy Research Groupが今月発表した数字と組み合わせて見ていきましょう。
同社が発表したグラフによると、Amazonクラウドのこの1年の売り上げ成長率は49%、マイクロソフトが96%、Googleが74%、IBMが56%と、いずれも30%を大きく上回っています。
ワールドワイドのIaaSへの支出の伸びを圧倒的に上回る勢いでハイパージャイアントたちは急成長しているように見えます。これを素直に受け取れば、IaaSにおける成長はハイパージャイアントが牽引しているとともに、彼らへの寡占化も進行していると言えそうです。
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