Hadoopをデータウェアハウスに統合するメリットと、シスコが明かしたIoT戦略を作るフレームワーク[PR]
ビッグデータやIoT(Internet of Things)の登場を背景に、データを保存し活用するためのアーキテクチャはいま大きな変化の途上にあります。
5月25日に開催されたシスコシステムズ主催のイベント「IoT/IoE時代のデータマネージメント Hadoop活用セミナー」では、こうした大規模データ処理がビジネスを変える可能性と、そのためのデータ処理基盤技術について解説されました。
最初に登壇したシスコ コンサルティングサービス シニアパートナー 八子知礼氏は、IoTやIoE(Internet of Everything)の時代にビジネスの変革を支援するシスコのコンサルティング部隊は、お客さまの戦略策定から組織改革までを支援することがミッションであると説明。シスコの製品販売のノルマを背負わないユニークな体制であることを示しました。
ITのコンサルだけでなく、戦略策定から組織改革まで
シスコのコンサルティングは主に7つの領域に広がっています。まずはIoT/IoEを活用して経営価値を創出するためのビジネスモデルやアライアンス戦略策定や実行を支援する「IoE価値創出支援」。具体的にはスマートシティやスマートファクトリ、小売り流通のスマート化やオムニチャネル化などの取り組みです。
その中で必要性が高まってくる「ビジネスアーキテクチャ構築」では、技術動向と将来予測などを基に、競争力のあるビジネスのあり方、ITのあり方を支援し、「次世代IT戦略策定」としてITのビジョンと戦略、実現のためのロードマップ作成も行うことになります。
さらにビッグデータ分析などにより優れた意思決定に基づく組織変革を支援する「アナリティクスと意思決定プロセス改革」や、シスコ自身が実践してきた働き方の改革のノウハウなどを提供する「コラボレーション型ワークスタイル改革」、パブリッククラウドやプライベートクラウドを含むクラウド時代の戦略策定と実現を支援する「クラウド型ビジネスモデル策定」、そしてグローバル人材を育成することなどを実現する「グローバル事業継続モデル策定支援」など。
「これらすべてにおいて、ITのコンサルだけでなく戦略策定、業務改革、そして組織改革までお付き合いするのを、私たちの信条としています」(八子氏)
コネクトとユニファイドを軸にしたフレームワーク
さらに、シスコのコンサルティングフレームワークは公開されており、次のようなものになっていると八子氏。
縦軸には、人、プロセス、データといった要素を並べ、横軸には機能、場所、空間、業務といった、ビジネスにおいて注目すべきものを並べます。
この資料では、シスコが支援しているドイツのハンブルグ港湾管理局の例が示されており、Webで予約、コンテナを積んだトラックの管理、コンテナがゲートをくぐり、ヤードがアサインされてクレーンで吊り、船に積み込むという一連の流れを示しています。(動画による紹介)
実際の港湾業務ではこうした一連の流れの中でさまざまな人、事業者、機械、サーバなどが関与していますが、これまでは組織も人も機械もばらばらに運用され、コンテナのデータだけでつながっていました。
これを改善するため、まずサーバを250台から40台に集約し、TCOを30%以上削減。現在は業務プロセスと人とをつなげるコミュニケーション改革に取り組んでいるとのこと。これによって港で処理できるコンテナのスループットが向上し、それによって港の税収があがる。これが最終的な顧客にとってのインセンティブになるとのことです。
シスコ コンサルティングサービスでは、この横軸をつないでいくことを「コネクト」、縦軸を「ユニファイド」と呼び、IoT/IoEを活用することでこれまでつながっていなかったものをつなげ、新しいサービス、体験、価値を提供し、いままでにないバリューチェーン、ビジネスモデルを生み出すようなアプローチを実施しています。
シスコはこうしたフレームワークを基に、コンシューマ、交通・輸送、エネルギーや探索、製造、公的機関など多岐にわたる分野のソリューションを体系としてまとめ、コンサルティングによる支援の体制をグローバルで整えています。
Hadoopをデータウェアハウスに統合するメリット
IoT/IoE時代には処理すべきデータが飛躍的に増大します。それを処理、活用するのに欠かせない基盤ソフトウェアの代表が「Hadoop」です。
その商用ディストリビューションを提供しているベンダがマップアール・テクノロジーズ。同社アライアンス&プロダクトマーケティング 三原茂氏はMapRの特長として、エンタープライズグレードのHadoopであり、例えば、単一障害点の除去やデータ保護機能、運用性を上げる標準準拠のNFSアクセスなどを備え、Apache Hadoopの課題を解決している点にあると説明します。
MapRを既存のデータウェアハウスにデータレイクとしてアドオンすることで、より安価で柔軟なビッグデータ時代の分析基盤が実現できます。
例えばデータウァハウスで行っているETL処理をMapRにオフロードすることで、ETLの並列処理化が可能となり、従来よりも高速にETLが処理できるとともに、データウェアハウスはETLから開放され、その空いたリソースで本来データウェアハウスが行うべき分析処理などのワークロードを、より緻密に行うことができるようになります。
もちろんMapR内のデータもデータウェアハウスを介さずにより大きなデータセットを対象として分析可能。また、データウェアハウスとMapR間は標準のNFSで接続できるため、 MapRからデータウェアハウスへのデータ転送も容易です。MapRはあらゆるデータのプラットフォームとして機能するのです。
Hadoopをデータウェアハウスに統合することで得られるメリットとして、次のようなものが挙げられます。
- 既存のDWHには手を入れる必要がない
- BIやSQLといった資産をそのまま有効活用でき、ユーザビリティも変わらない
- より多くのデータを活用可能
- 構造化データ以外のログ等の多構造化データを活用可能
- データ量に対してのコストが従来より非常に低い
- 本格的なデータ活用時代における新テクノロジーにも対応可能な柔軟性(IoTやM2M等)
そして、今後のデータ処理基盤は従来のアプライアンス型から、x86サーバを並べたスケールアウト型へと進化していくだろうと三原氏は指摘します。
シスコのスケールアウト型プラットフォーム戦略
シスコが提唱する統合インフラ戦略は、UCSサーバシリーズを中心にハードウェアとソフトウェアを統合した、スケールアウト型のインフラを実現するものとなっています。
シスコは、パートナーを通してさまざまなソリューションに適するようにあらかじめ統合されたコンバージドインフラを提供するとともに、シスコ自身による検証を経たビッグデータ統合インフラ/CPA(Common Platform Architecture)として、アプリケーションに最適化したシステム構成を提供しています。
さらにサーバ、ネットワークを含めたハードウェア周りを管理する「UCS Manager」と、Hadoopクラスタを管理する「hadoop Manager」を一元化する「UCS Director Express for Big Data」を利用することで、BIOSのチューニング、OSのインストール、ストレージやネットワークの設定、そしてHadoopインストールとノードの追加、SparkなどHadoop上のサービスの設定までを自動化。
こうしたプラットフォームとしての取り組みを実際にお客様が試せる環境として、アジア地域では東京ミッドタウンとシンガポールなどでビッグデータラボを開設し、MapRをはじめとする主要なHadoopベンダーのソフトウェアをインストールした環境を用意しています。
≫ビジネスの成功に向けたビッグデータおよび分析ソリューションの実装
関連記事
(本記事はシスコシステムズ提供によるタイアップ記事です)
あわせて読みたい
新ブラウザ「Microsoft Edge」はSliverlight非対応、Flash Playerは内蔵
≪前の記事
日本オラクル、クラウドビジネス強化で1年以内に200名規模の中途採用による増員を発表