GoogleがFlashからHTML5への自動変換技術を広告配信サーバで実戦投入。Publickeyの広告配信サーバでも提供開始
Publickeyでは、Webページに広告を配信するためのサーバとしてGoogleの「DFPスタンダード」という広告配信サーバを利用しています。先月からこの広告配信サーバに、FlashからHTML5への自動変換機能が追加されました。CNET Japanでも次のように報道されています。
バナー広告でアニメーションやインタラクティブな機能を実現するには、Flashを用いるのが一般的です。しかしFlashはスマートフォンなどのモバイル機器では対応しないものが増えてきています。それが、Googleが広告配信サーバにHTML5への自動変換技術を投入した理由です。Google+で、Google Adsが次のように説明しています。
But there is an all-too-common barrier: many mobile devices and some browsers do not currently support Flash. That’s why we’re introducing a way to automatically convert Flash ads to HTML5, giving advertisers better access to the portion of Google Display Network inventory that is HTML5-only.
そこにはあまりにありふれた障害がある。多くのモバイルデバイスといくつかのブラウザにおいて、現時点でFlashがサポートされていない、ということだ。これが、私たちがFlash広告をHTML5へ自動変換する機能を投入した理由であり、広告主がHTML5対応の広告枠へアクセスするよりよい方法を提供するためでもある。
モバイルデバイスのブラウザはHTML5対応のものがほとんどですので、Googleの広告配信サーバは、これで事実上ほぼすべてのモバイルデバイスにFlash広告であっても広告を配信することができるようになったと言えるでしょう。
広告配信サーバにおける実際のHTML5変換画面
Publickeyの広告配信サーバにも、すでにHTML5への自動変換機能が提供されていました。下記がその機能の画面。ちょうど今月は、Google Cloud Platformのバナー広告をいただいてますが、その原稿がFlash広告でした。
この原稿を広告配信サーバに入稿したところ、自動的にHTML5へ変換。下記の画面の「Fallback HTML5 file」が用意されました。Flashに対応していないモバイルデバイスやブラウザには、広告配信サーバが自動的にこのHTML5によるバナーを配信してくれる、というもののようです。
ほぼ同じタイミングで、検索でモバイル対応を優遇へ
Googleは数日前に、検索結果においてモバイル対応を重視することを表明しました。
いままで商用のWebメディアは、読者のニーズとしてモバイル対応を進めなくてはならない一方で、収入の大事な柱であるバナー広告で用いられるFlash広告のモバイル対応ができない点は、多少なりとも課題として認識されてきました。
Publickeyもまさにそうで、試験的に提供し続けているPublickeyのモバイル版ではバナー広告を外していました。しかし少なくともGoogleの配信広告サーバではこの課題が解決されることになります。
もちろんメディアにおけるモバイル対応の課題はほかにも多くありますが、Googleがほぼ同じタイミングでFlash広告のHTML5自動変換機能を提供してきたことと、検索においてモバイル対応の有無の反映を明確にしてきたことは、モバイル対応への同社の思惑の強さを感じずにはいられません。
Publickeyもそろそろモバイル版を見直す時期に来たようです。
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