米GEが「Predix Cloud」でクラウド市場へ参入を発表。Cloud Foundryを基盤に、航空、エネルギー、医療などで発生する大規模データをリアルタイム分析
米GEは大規模なデータをリアルタイムで分析する機能などを備えた「Predix Cloud」でクラウド市場に参入することを発表しました。
「Predix Cloud」が提供するサービスは、航空、交通、エネルギー、医療などの産業機器から発生する大量のデータの分析。例えば航空機のエンジンや機内の各種センサーから発生するデータ、病院で発生するMRIによる人体内部の画像などをほぼリアルタイムに分析可能で、機器の故障予測や効率的な運用、効果的な治療などに役立てます。
現在クラウド市場をリードしているAmazonクラウドは、同社の本業である電子商取引を支えるためにAmazon自身が構築したものを外部向けのサービスへと進化させたものです。Amazonの強みは、自身がクラウドユーザーであるがゆえに、ユーザーにとって何が重要なのか、何が求められているのかを徹底的に理解している点にあります。
GEは本業として航空機のエンジン開発、鉄道車両の製造、火力発電所や原子力発電所などの機器製造、医療用機器や各種センサー、産業用ソフトウェアの開発などを行っています。つまり、産業ごとのニーズを深く理解したうえでクラウドサービスを構築、提供できるわけです。
GEはPaaS基盤ソフトウェアの開発を推進するCloud Foundry Foundationの設立メンバーの1社であり、これまでソフトウェアにも積極的に投資をしてきました。同社のクラウド市場への参入は、もしかしたらITベンダにとってAmazonクラウドの再来となるのかもしれません。
産業向けの接続性やスケーラビリティに対応
Predix CloudはCloud Foundryを基盤としたPaaS型クラウドサービスを提供します。主に以下の特長を備えています
接続性
Predix Cloudはconnectivity-as-a-serviceを提供し、独自技術とグローバルなテレコム企業との連係などにより、センサーやゲートウェイなどを迅速にプロビジョニングします。
機器が生成するデータのためのスケーラビリティ
Predix Cloudは時系列データ、大量のセンサーが生成するデータ、MRIが生成する大容量オブジェクトなどをリアルタイムに扱うために構築されています。
そのほかセキュリティ、規制対応、相互運用性、オンデマンド、従量課金なども備えています。
Predix CloudはGE自身のデータセンターで展開されるのか、いずれかのクラウドベンダのクラウド上に展開されるのかは発表からは読み取れませんでした。しかし、GEは2013年にAmazonクラウドとアクセンチュア、EMC(の傘下のPivotal。つまりCloud Foundryの開発元)をパートナーとして産業向けAnalytics Platformを発表しています。このときはAmazonクラウドを基盤としていました。もしかしたらPredix Cloudも同じなのかもしれません。
GEは自身のソフトウェアを今年第4四半期にPredix Cloudへマイグレーション予定で、2016年にPredix Cloudの商用サービスを開始するとしています。また顧客の求めに応じてほかのクラウドにも同様のサービスを実装するとのことです。
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