逆風がますます強まるFlash。来月からAmazon.comはFlash広告を受け付けず、次期Chromeブラウザは重要でないFlashを停止
アドビのFlashへの逆風がますます強まろうとしています。先日明らかになったのは、Amazon.comが9月以降は関連サイトやアドネットワークにおいて、Flash広告の受付を行わないと決定したことです。
Amazon.comの「Ad Specs and Policies」(広告仕様とポリシー)の「Technical guidelines」では、Flashの受付けを終了する理由として、WebブラウザがデフォルトでFlashをサポートしなくなるため、と説明されています。
This is driven by recent browser setting updates from Google Chrome, and existing browser settings from Mozilla Firefox and Apple Safari, that limits Flash content displayed on web pages.
この決定はGoogle ChromeのアップデートやMozilla FirefoxやSafariの既存の設定が促進したもので、これらはWebページのFlash表示を制限するものとなっている。
Amazon.comが指摘するように、来月登場が予定されているGoogle Chromeの次バージョンでは、重要でないと判断されるFlashコンテンツ(おそらく本文中にレイアウトされていないバナー広告などのFlashコンテンツが該当すると思われます)では表示が停止される設定が標準になると、Google Chromeブログで6月に投稿された記事「Better battery life for your laptop」で説明されています。
When you’re on a webpage that runs Flash, we’ll intelligently pause content (like Flash animations) that aren’t central to the webpage, while keeping central content (like a video) playing without interruption.
Flashが使われているWebページを開いたとき、Webブラウザはそれが(Flashアニメーションのような)Webページの中心的なコンテンツでないならば、それをインテリジェントに判断してコンテンツを停止する。(動画のような)中心的なコンテンツであれば、いままでどおり何もしなくても実行される。
Firefoxでは、7月にFlash Playerに相次いで脆弱性が発覚したことでFlashプラグインをブロックしていましたが、その際にFlashプラグインのサポートに後ろ向きな姿勢をあらわにしています。
ドライな判断の結果
こうした背景を見るに、Amazon.comがFlash広告の受付終了を判断したのは、Flashに対してなんらかの戦略や考えがあってのことというよりも、広告配信のビジネスを行う事業者としてFlash広告の効果をドライに判断した結果なのだと想像できます。
数字によって効果をドライに判断されてしまう広告の世界では、他の事業者も同様の判断をする可能性が高いと考えられます。急速にFlash広告がゼロになっていきそうです。
一方で、例えばDRMが必要な動画などの分野では、過去の膨大なDRM付き動画ファイルなどを抱えた事業者も存在するでしょう。そういう分野では、Webブラウザのプラグインとして使われるFlash Playerはゆっくりと終焉を迎えていくのかもしれません。
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