マイケル・デル氏自身がブログで、EMC買収後もVMwareは独立した公開企業のままにすると改めて表明
ストレージベンダ大手のEMCが仮想化ソフトウェアベンダのVMwareを買収したのは2004年のことです。以来、VMwareはEMC傘下の企業として活動を続けてきました。
2015年10月、デルはEMCの買収を発表しました。買収時に注目された点の1つは、果たしてEMC傘下のVMwareも買収に含まれるのかどうか、でした。
VMwareは仮想化ソフトベンダとしてさまざまなサーバベンダと取引をしています。そのVMwareがデルという特定のサーバベンダ傘下になることは、VMwareのビジネスにとって、そしてVMwareの製品を取り扱うサーバベンダ、例えばヒューレット・パッカードや富士通やNECやレノボといった企業にとっても、おだやかなできごとではありません。
しかしデルによるEMCの買収には、EMCが保有するVMwareも含まれていました。VMwareはデルというサーバベンダの傘下になることが決まったのです。
これを受けて、デルがEMCを買収した直後に行われたプレス・アナリスト向けの電話会議でも、アナリストから今後のVMwareの独立性について、デルCEOのマイケル・デル氏に質問がありましたが、デル氏はVMwareの独立を今後も維持すると答えています。
VMwareがどのパートナーと組もうと制限しない
そのマイケル・デル氏は、ブログであらためてVMwareの独立性についての記事「Message from Michael Dell: Committed to VMware Independence and to Open Ecosystem」をポストしました。
デル氏は次のように記して、今後のVMwareの独自性を保証しています。
We intend for VMware to remain an independent public company. Further, we believe it is very important to maintain VMware's successful business model supporting an open and independent ecosystem. We do not plan to do anything proprietary with VMware as regards Dell or EMC, nor place any limitations on VMware’s ability to partner with any other company.
われわれはVMwareを引き続き独立した公開企業にしておくつもりだ。このことは、VMwareが成功させているビジネスモデルである、オープンで独立したエコシステムを守り続けていくためにも非常に重要だと確信している。私たちはデルやEMCがVMwareを独自のものにする計画を一切持っていないし、VMwareがどのような企業とパートナーとなろうとも制限するつもりはない。
デルがVMwareを傘下に収めた影響は、すぐに現れるとは思えません。しかし競合ベンダや市場はデル氏のこの約束が本当に守られるのか、今後のVMwareの動向をこれまで以上に慎重に見極めるようになるのでしょう。
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