「ストレージで提供する価値の多くがソフトウェアで実現されている」。EMCのオールフラッシュストレージ製品マネージャに聞く、フラッシュストレージの価値と進化

2015年4月17日

ストレージ最大手のEMCが2013年に満を持して投入したオールフラッシュストレージアレイが「XtremIO」です。X-Brickと呼ばれる筐体を追加していくだけで性能と容量が増加していく上に、データの圧縮やレプリケーション、スナップショットなど高度なデータサービスも搭載しています。

XtremIOは同社のフラッシュストレージ製品群のフラッグシップ的な位置づけといえるでしょう。そのXtremIOのプロダクトマネジメントを務めるRami Katz氏に、現在のXtremIOの位置づけ、そしてフラッシュストレージの進化について聞きました。

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アプライアンスとしてのXtremIOの価値とは?

──── 製品が登場して1年以上たちました。XtremIOは主にどのような分野で使われていますか?

Katz氏 データベース向けの高速ストレージとして、あるいはさまざまなワークロードが混在するアプリケーションのコンソリデーションなどがあります。VDIは非常に成長している分野で、重複排除も非常に効果的に働いてデータを圧縮できるため、数万のデスクトップを収容しつつデスクトップあたりのコストは非常に低くなります。

もちろん一般的な仮想環境での汎用ストレージとしてもさまざまなワークロードに対応し、しかもスケールアウトアーキテクチャを備えていますから、性能、容量ともに必要に応じて追加していくことが可能です。

──── 最近ではコモディティサーバにSSDを搭載するだけで比較的容易に高性能なストレージを利用できるようになっています。また、XtremIOもハードウェアにはコモディティサーバを採用していると聞いています。こうした中で、ストレージアプライアンスとしてのXtremIOの価値、位置付けというのはどのように考えればいいのでしょうか?

Katz氏 私たちは最高のコンポーネントを組み合わせる、という点での価値を提供しています。SSDベンダやサーバベンダ、インターコネクトのInfiniBandなどの最新のイノベーションを用いることができて、その上で私たちはソフトウェアにフォーカスすることができるのです。

──── ソフトウェアにフォーカスするという点は興味深いですね。

Katz氏 スナップショットやクローンあるいはストレージマネジメントの機能など、ストレージで提供する価値の多くがソフトウェアで実現されるようになってきています。そのため、私たちも積極的にソフトウェアに投資するようになってきました。

もちろん、高い信頼性を実現するためにはハードウェアも慎重に選ばなくてはなりません。私たちはそのために、製品のテストにも多額の投資をして、ソフトウェアとハードウェアの最高の組み合わせを、ストレージに保存されるお客様のデータを確実に守るために、徹底的な試験を行っています。

フラッシュストレージが経てきた4つの世代

──── フラッシュストレージの進化によって、ITやビジネスにはどのようなインパクトがあるとお考えですか?

Katz氏 歴史的に見れば、CPUの性能はムーアの法則に従って伸びてきた一方、HDDの性能の伸びは低く、両者のあいだには性能の大きなギャップがありました。ストレージの性能を一気に向上させ、このギャップを埋めるのがフラッシュストレージだと考えています。

そしてフラッシュストレージは大きく4つの世代に分かれると考えています。

最初の世代はHDDで構成されたレガシーなストレージにフラッシュメモリを搭載したものです。私たちもそのような製品をリリースしてきました。

第二世代のフラッシュストレージは、フラッシュメモリを記憶媒体に使ってはいますが、多くの技術をHDD時代のままで構成したストレージ製品です。

第三世代は、初めてフラッシュに特化して作られたストレージ。フラッシュストレージとしての第一世代と呼んでもいいでしょう。ストレージそのものはフラッシュに特化して作られ、高い性能も実現できてはいますが、スケーラビリティは限られており、レプリケーションやデデュープ、シンプロビジョニングなどのデータサービスは十分とは言えません。

そして第四世代のフラッシュストレージ、われわれの製品はここに属する唯一のものだと考えています。これは高い性能とスケーラビリティを持ち、同時にデデュープや圧縮、暗号化、スナップショット、レプリケーションといった豊富なデータサービスをインラインで提供するというものです。しかもスケールアウトで性能も容量も高めていくことができます。

そして、こうしたがビジネスにどのようなインパクトを持つかというと、例えばあるお客様は480TBのストレージをXtremIOの採用でわずか10TBの容量にすることができました。これは圧縮やデデュープの効果が発揮されたおかげです。

お客様にとっては消費電力やフロアスペースを削減でき、冷却能力も小さくて済みます。もちろん、ストレージのデプロイや運用も容易になります。拡張も容易ですから、ビジネスをより加速(アクセラレート)することでしょう。私としてはXtremIOにちなんでこれをXcelerateと呼びたいと思っています(笑)

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Junichi Niino(jniino)
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