Docker 1.6リリース、Windows版Dockerクライアントが登場。コンテナへのラベル付け、ログ出力ドライバ、Ulimitsの指定などが可能に
Linux上でコンテナ型仮想化を実現するDockerが、最新バージョンの「Docker 1.6」をリリースしました。
Docker 1.6では、マイクロソフトとDockerの協業によってWindows版のDockerクライアントが登場。コンテナとイメージにラベル付けが可能になり、コンテナの起動時にulimitsを指定できるようになりました。
Windows版Dockerクライアントが登場
Windows版Dockerクライアントは、コマンドラインからDockerを操作するものです。現在のところ操作対象はLinux上のDocker Engineが対象になりますが、マイクロソフトとDockerはWindows Server上にDocker Engineを載せるべく作業中です。
先日の発表では、Windows Server ContainerとHyper-V Containerの2つのコンテナ実装の上にDocker Engineを載せるとされていますが、そのいずれもDockerクライアントから操作可能となる見通しです。
コンテナのラベル付け、ulimitの設定など
Docker 1.6ではDockerのコンテナとイメージにラベルを付けることができるようになりました。これによって運用時にコンテナやイメージが何をしているのか判別しやすくなりそうです。
ログ用のAPIが整備され、ログ出力が柔軟になりました。また、起動時にDockerデーモンから引き継いでいたリソース制限のためのUlimitsが、docker runコマンドの引数として設定できるようになりました。
100億円以上の資金調達をしたばかりのDocker
Dockerは先週、4月14日付けで9500万ドル(約114億円)もの資金調達を行ったと発表しています。
豊富な資金を背景に、同社はこれからも積極的に技術者の獲得や企業の買収などによる機能の拡張を続けていくはずで、これからまだ当面はDockerまわりの機能拡張が続くと考えられます。
一方で、豊富な資金調達は将来的には高い売り上げを実現することへのプレッシャーにもなります。結果的に製品としてのDockerおよびそのエコシステムは、機能的にも価格的にもリッチなフレームワークへと押し上げられていく可能性が高まっているのではないでしょうか。
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