Chromeが方針を一転。マウス、タッチ、ペン入力などを同一コードで統合的に扱える「Pointer Event」を実装へ
マウス、タッチ、ペン入力などを統合的に扱える「Pointer Events」仕様が、Chromeブラウザでも実装される方針であることが明らかになりました(Twitterで教えていただきました)。
Chromeではタッチに対応した「Touch Events」が実装済みで、Chromeの開発チームはモバイルにフォーカスすることによるタッチの優先、追加実装による性能上の懸念などを理由としてPointer Eventsの実装は行わないという方針をすでに決定していました。
しかし3月26日付けのBlink(Chromeに採用されているレンダリングエンジン)のメーリングリストへのポストで、GoogleのChrome開発エンジニアであるRick Byers氏はその方針をひるがえし、BlinkにPointer Eventsを実装するつもりであることを示しました。
上記のGoogle+への投稿によると、多くのフィードバックに基づいてPointer Eventsの実装を行うことしたとのこと。
Blink開発者メーリングリストにポストされたメールには、懸念されていた性能上の問題が解決できそうなこと、そしてPointer Eventsを実装しないことでほかのブラウザとの互換性に問題が起こる可能性があることなどを、方針転換の理由として挙げていました。
特に技術的な懸念については、Pointer Eventsを起案し推進してきたマイクロソフトが積極的に働きかけをしたようです。
but with IE adding support for Touch Events, they’ve shown that it’s possible to support both models simultaneously without serious web compat impact. Jacob Rossi on the IE team has been very helpful (through his investment in the Touch Events Community Group), helping us understand their experience with Touch Events and the interaction with Pointer Events.
IEではTouch Eventsのサポートを追加することで、(Touch EventsとPointer Eventの)両方を同時に対応しても、互換性について大きな問題を起こさずに実装可能なことを示してくれた。IEチームのJacob Rossiは(Touch Eventsコミュニティグループを通して)協力的で、Touch EventsとPointer Eventsのインタラクションについての彼らの経験を教えてくれた。
メーリングリストでは、このメールに対して歓迎する反応が多く寄せられています。マイクロソフトの働きかけや、それに応えたChrome/Chromium/Blink開発チームの柔軟な姿勢は、Webの前進にとって建設的な関係が発展しているように見えます。