W3CのHTML5仕様が勧告候補から最終草案へ戻り、秋には再び勧告候補へ
2012年12月に仕様策定を完了し、W3Cの勧告候補として相互運用性やテスト作成の作業に移っていたW3CのHTML5仕様ですが、勧告候補からいったん最終草案へと戻ることが発表されました。
HTML5仕様の勧告候補に対してはこれまで多くのコメントが寄せられ、また97000ものテストが作られて少なくとも2つの実装において96.7%の仕様が満たされたとのことです。
その上で、W3Cのブログにポストされた記事「HTML5: ON OUR WAY TO RECOMMENDATION」(HTML5:勧告への道程)において、最終草案に戻すことが次のように説明されています。
As planned, given the substantive changes made to the document, we’re returning HTML 5.0 to Last Call. The scope of the expected feedback at this point is limited to changes that have taken place during the Candidate Recommendation phase and the deadline is 15 July 2014. Once we have addressed the Last Call comments and finalize the test suite, we expect to move the document to Proposed Recommendation in the fall.
計画の通り、多くの変更がドキュメントに反映され、HTML 5.0を最終草案に戻した。これらに対するフィードバックについては勧告候補のフェーズで発生したものに限られるとされ、2014年7月15日が期限となる。そして最終草案でのコメントに対応し一連のテストを完成させれば、秋には勧告候補へ進むことになるだろう。
もともとHTML5は2014年内に勧告へ、というロードマップの下に作業が進められてきました。今回の発表を読む限り、最終草案への戻しによって大きなスケジュールの遅れが発生するようには見えません。ぎりぎり年内、あるいはそれほど大きな遅れを伴わずにHTML5が勧告されるのではないでしょうか。
参考:HTML5勧告へのロードマップ。HTML 5.0とHTML 5.1に分けて、まずは2014年内を目指すとの案をW3Cが発表
とはいえW3Cが勧告をする、しないにかかわらず、主要なWebブラウザでのHTML5仕様の実装やさらにその先の実装が進んでいます。2014年現在、実質的にはすでにHTML5はほぼ実用化されており、W3Cの勧告はその現状を追認する、ということになるのでしょう。
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