クラウドでSSDストレージ提供が広がる。Google Cloud Platform、Amazonクラウドが相次いでSSDベースのストレージ提供開始
クラウドで提供されるストレージにおいて高速なSSDベースのストレージ提供が広がってきました。GoogleとAmazonクラウドは相次いでSSDベースのストレージサービスを発表しています。
Googleは同社のGoogle Cloud Platformのパーシステントストレージにおいて、SSDベースのストレージ提供を限定プレビューとして開始すると発表しました。
既存のハードディスクベースのストレージのIOPSと比較して、読み込みで100倍以上、書き込みで20倍以上の能力を持つと説明されています。
SSDベースのパーシステントストレージの利用料金は、1GBあたり月額0.325ドル。通常のパーシステントディスクが1GBあたり月額0.04ドルですから単価には10倍近い開きがありますが、GoogleによるとIOPSあたりのコストに換算して、書き込みで59%安価に、書き込みで92%も安価になるそうです。
SSDストレージの利用用途としてはMySQLやPostgreSQL、MongoDBといったIOPSの大きいデータベースのストレージに利用することなどが推奨例としてあげられています。
Amazonも汎用のSSDストレージを発表
Amazonクラウドは2012年からSSDベースのブロックストレージを提供しています。具体的にはブロックストレージサービス「Amazon EBS」のオプションの1つとして、高いIOPS性能を保証する「プロビジョンドIOPS」の仕組みとして高性能なSSDベースのストレージを利用しているのです。
このプロビジョンドIOPSは、その安定したIOPS性能を提供してくれることから、データベースのストレージなどに利用されてきましたし、データベースサービス用の「Provisioned IOPS for Amazon RDS」も提供されています。
そのAmazonクラウドが、プロビジョンドIOPSよりもカジュアルに利用できる、EBSをSSDストレージで提供するEBSのオプション「General Purpose (SSD)」の提供を開始しました。
General Purpose (SSD)ボリュームは、低コストで、多くのワークロードに対する性能を満たせるように設計されています。 最大3,000IPOSまでバーストし、設定されたストレージ1GBあたり、最低3IOPSの性能が出るようになっています。 言い換えると、10GBのボリュームであれば、30IOPS、100GBであれば、300IOPSが最低ラインとして保証されます。 後でバーストモデルのメカニズムの詳細をお話しますが、ほとんどのアプリケーションは、バーストを超えるようなことはなく、実際の性能は通常ベースラインより高くなります。 ボリュームは、設定したIOPSの性能に対して、一貫して、99%の性能を発揮するよう設計されています。
(Amazon Web Services ブログ: 【AWS発表】新しいSSDベースのElastic Block Storage)から
General Purpose (SSD)ボリュームの利用料金は1GBあたり月額0.1ドル。
AmazonクラウドもGoogleもまだSSDストレージは従来のストレージよりかなり高価ですが、クラウドにおけるSSDストレージの競争環境が整ってきたことで、継続的な価格低下が起こることは必死です。どの部分にSSDストレージを活用することがもっとも費用対効果が高いか、これからクラウドでのシステム設計を最適化するうえで考慮するポイントがまた1つ増えたといえるでしょう。
あわせて読みたい
次期Internet Explorerの機能を先行試用できる「Internet Explorer Developer Channel」が公開。ゲームパッドAPI、自動テスト用APIのWebDriverなど搭載
≪前の記事
日本Nginxユーザ会が発足。開発者Igor Sysoev氏が語る、Nginxが生まれ、商用化された理由