RHEL互換の「CentOS 7」公開。インストール不要で起動するDockerイメージやクラウド用イメージでの提供も予定
Red Hat Enterprise Linuxと互換性を持つオープンソースOSとしてクラウドやホスティングサービスなどで広く使われているCentOSの最新版「CentOS 7」が公開されました。
CentOS 7は先月リリースされたばかりのRed Hat Enterprise Linux 7からわずか1カ月遅れでの公開。今年1月から開始されたRed Hatとの共同開発体制の成果といえそうです。
CentOS 7の主な特長は、カーネル3.10の採用、Linuxコンテナ機能の搭載、標準のJDKがOpenJDK7に変更、デフォルトのファイルシステムがXFSに変更、40Gbイーサネットカードのサポートなどです。
クラウド用の仮想イメージやDockerイメージでの配布も予定
興味深いのは、今後の予定としてDockerイメージでの配布が表明されていることです。また、AmazonクラウドやGoogle Compute Engine、Rackspaceなどのクラウドでそのまま利用できるクラウドイメージでの配布も予定されています。
CentOSの発表用メーリングリストに投稿された内容から引用します。
Coming Soon
We are currently working to extend the portfolio of content we deliver for a major release. In the past its only been iso media and install tree's, but with CentOS-7 we are also going to deliver:
= Docker Images
= Cloud Images in vendor ecosystems ( HPCloud, RackSpace, AWS, Google Compute etc )
= Cloud Images for direct download and consumption in on-premise infra
( RDO/OpenStack, CloudStack, OpenNebula and Eucalyptus )今後の予定
配布方法を広げるために現在作業中だ。これまではISOメディアかインストールツリーでしか提供していなかったが、CentOS 7では下記の方法でも提供しようとしている。
= Dockerイメージ
= ベンダごとのクラウドイメージ(HPCloud、RackSpace、AWS、Google Computeなど)
= オンプレミスでの直接ダウンロード用クラウドイメージ(RDO/OpenStack、CloudStack、OpenNebula、Eucalyptus)
これによりクラウドでは、ISOイメージからOSをインストールする手間をかけずにイメージファイルからすぐにCentOSの仮想マシンを起動することが可能になります。さらに、今後増えるであろうDocker対応のクラウドでは、仮想マシンを起動するよりもさらに高速かつ手軽にCentOSを利用できるようになります(おそらく対応カーネルなどの条件があるのではないかと想定されますが)。
標準のディストリビューションでこうした配布が行われることは、クラウドの利用者にとって大きなメリットになりそうです。
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