Red Hat、OpenStack Icehouceの商用ディストリビューション「RHEL OpenStack Platform 5」リリース。VMwareサポート、3年間のライフサイクルサポートなど
Red Hat Enterprise Linuxは、企業向けのLinux OSとして事実上の標準の地位を獲得しました。米Red Hatは、クラウド基盤ソフトウェアにおいても同じように同社の商用ディストリビューションを事実上の標準にすべく注力しています。
米Red Hatは、オープンソースで開発されているクラウド基盤ソフトウェアOpenStackの最新版「Icehouce」をベースにした商用ディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 5」(以下、RHEL OpenStack Platform 5)をリリースしました。
OpenStackは半年ごとに新バージョンがリリースされることになっており、Icehouseは今年の4月にリリースされた現時点での最新版です。稼働中の複数サーバをローリングアップデートする機能などが追加されました。
3年間のライフサイクルサポート
RHEL OpenStack Platform 5の特長の1つは、Red Hatによる3年間のライフサイクルサポートがあることです。クラウドの技術や機能は急速に進化しているためOpenStakcにも非常に早いサイクルで機能追加が行われており、前述の通り半年ごとに新バージョンが登場します。10月には次バージョンの「Juno」がリリースされます。
しかしOpenStackでクラウド基盤を構築しようとする利用者にとっては、これだけリリースサイクルが短いと採用したバージョンの陳腐化や採用バージョンのサポートがすぐに終了してしまうのではないか、という心配があります。RHEL OpenStack Platform 5では3年間のサポートをRed Hatが行うことで、そうした心配を払拭する狙いがあると言えるでしょう。
とはいえ、3年後にはクラウドの基盤ソフトウェアの姿はいまとすっかり変わっているはずです。3年以内には基盤ソフトウェアを刷新する準備ができる企業やホスティング事業社などでないとまだOpenStackの採用は現実的ではない、ということも、この3年というサポート期間は示しているようです。
VMwareのサポート強化
OpenStackの仮想マシンを管理する機能はVMware vSphereに対応していますが、RHEL OpenStack Platform 5ではVMware対応をさらに強化し、VMwareの仮想ネットワーク機能であるNSXをOpenStackでサポートするためのプラグイン、VMware Virtual Machine Disk(VMDK)をブロックストレージ機能で使うためのプラグインなども提供しています。
そのほか、ワークロードの適切な分散機能、暗号化機能、Hadoopクラスタを管理する機能を備えた OpenStack data processing service (Sahara)のテクノロジープレビューなども搭載しています。
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