クラウド自身が競争力としてのシステムインテグレータを必要としている
米サンフランシスコで開催中のイベント「AWS Summit 2014」。Amazon Web ServicesシニアバイスプレジデントのAndy Jassy氏は、昨日行われた基調講演の冒頭で、Amazonクラウドを企業に活用してもらうためにはエコシステムが決定的に重要なのだ、と強調しました。
Jassy氏は、そのエコシステムを構成する要素としてシステムインテグレータを真っ先に挙げています。
クラウドにとって活発なエコシステムは欠かせない
Jassy氏はAmazonクラウドの主な大企業の顧客として、シェル石油、BP、NetFlix、サムソン、ニューズコープ、ファイザー、ブリストルマイヤーズ、GEなどの名前を挙げ、グローバルなカスタマベースを誇りました。
Amazonクラウドの立ち上げ当初から、こうした企業に使ってもらうためには活発なエコシステムの存在は欠くことのできない存在だと考えていたと、Jassy氏。
エコシステムを構成する要素の1つが、Amazonクラウドのうえでシステム構築を行う、あるいは企業のクラウドへの移行を支援する数千ものシステムインテグレータだとして、アクセンチュアやウィプロ、インフォシス、あるいはクラウド専門の2nd Watchなどの名前を挙げています。
既存のソフトウェアをAmazonクラウドに対応させる、あるいはクラウド上でSaaSビジネスを行うISV(独立系ソフトウェアベンダ)も同様に重要だと説明しました。
システムインテグレータはエコシステムで重要な役割を果たす
クラウド時代を迎えたシステムインテグレータはどうなるのか。ここからその答えを明確に読み取ることができます。つまり、システムインテグレータはなくなるどころかクラウドを取り巻くエコシステムとして重要な役割に位置づけられているのです。
クラウドは新しい技術、新しい価格モデルであり、しかも急速に変化しています。企業がこれを活用するにあたり、システムインテグレータのような専門家集団の力を借りるのは当然のことといえます。システムインテグレータが商材としてクラウドを必要とするのと同じかそれ以上に、クラウドも自身のエコシステムとして、すなわち競争力の一部としてシステムインテグレータの存在を必要としているのです。
クラウド時代にシステムインテグレータは不要になるのではないか、という心配に対して、Jassy氏の言葉はすなわち、クラウド市場におけるトッププレイヤーがはっきりと必要であると表明したものだといえるでしょう。
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