米デル、Oracle 12c用垂直統合システム、MySQL用アプライアンス、Cloudera用インメモリアプライアンスなど、データベース特化の垂直統合システムを相次いで発表
「デルはアプライアンス群への提供へと急速に移行しており、お客様は大規模なエンタープライズアプリケーションの管理や運用のシンプル化による価値を受けられるようになります」(6月24日付けプレスリリースから)
米デルはフロリダでの同社のイベント「Dell User Forum」において、データベースに個別に特化した垂直統合システムやアプライアンスを相次いで発表。エンタープライズ市場においてはアプライアンス戦略に注力していくことを明らかにしました。
発表された主なシステムは以下の通り。
Dell Integrated System for Oracle 12c Database
フルラックに「Dell PowerEdge Servers」、Fusion-ioの高速なフラッシュストレージ「ioDrive2 Duo」、MellanoxのInfiniBandアダプタとスイッチなどを搭載。Oracle Database 12cを4つのOracle RACノードで稼働。
Dell In-Memory Appliances for Cloudera Enterprise
Cloudera Impala、Apache Solr、Apache Sparkといったリアルタイム分析のアプリケーションを処理するための大容量メモリに対応したモデル。
Dell Database Acceleration Appliance for Databases
Dell PowerEdge Servers、Dell Storage、Dell Networkingと、Fusion-ioの高速フラッシュストレージを統合し、MySQL、SQL Server、MongoDB、Sybaseといったデータベースに対応したモデルを提供するアプライアンス。
データベースソフトウェアを買う相手としてのデルになる
データベースやミドルウェアに最適化した垂直統合システムは、オラクルのExadataやExalogic、IBMのPureSystemsがよく知られていますが、多くのハードウェアベンダは、例えばマイクロソフトやSAP、オラクルなどと協業し、SQL Server用アプライアンスやSAP HANA用アプライアンス、Oracle Database用アプライアンスなどの垂直統合製品の提供をすでに行っています。
デルの今回の発表はそれをさらに推し進め、顧客はサーバやストレージを選ぶのではなく、利用したいデータベースと性能や規模を選べばよい、そうすればハードウェアは付いてきます、という状況を作り出そうとしています。
データベースを買をうとする顧客に対して、いくつかのデータベースベンダからソフトウェアを選択して次に適合するハードウェアを買うのではなく、データベースを買うのためにデルに来てください、デルが用意した幅広い選択肢から選んでください、というメッセージがこのラインナップに表れているように見えます。
オラクルやIBMのように自社でミドルウェアやアプリケーションを持ち最適な垂直統合を進めることを強みとするベンダに対して、デルは自社でそうしたソフトウェアを持たないことの強みを自覚した戦略と言えるのではないでしょうか。
あわせて読みたい
[速報]Google Appsで、Word/Excel/PowerPointファイルを変換せずそのまま編集、保存可能に。Google Driveは容量無制限へ。Google I/O 2014
≪前の記事
高価な共有ストレージアレイを不要にする「VMware Virtual SAN」導入済みサーバ、主要サーバベンダから登場