OpenStack、9番目のリリース「Icehouse」公開。仮想マシンのローリングアップデート、DBaaS機能など新機能追加
オープンソースとして開発されているクラウド基盤ソフトウェア「OpenStack」の9番目のリリース「Icehouse」(コード名)が公開されました。
OpenStackは半年ごとに新バージョンをリリースする方針で、リリースごとにアルファベット順にコード名が付きます。半年前のリリースは「Havana」、1年前のリリースは「Grizzly」でした。そして次のリリースとなる今年の10月には「Juno」が予定されており、来月にはJunoの機能を決めるためのデザインサミットが行われます。
Icehouse最大の新機能は、このリリースからデータベースサービスを実現する「Trove」が正式コンポーネントとして追加されたことです。
TroveはOpenStack上でDatabase as a Serviceを実現するためのコンポーネントで、MySQL、Perconaといったリレーショナルデータベースはもちろん、MongoDB、Cassandra、Couchbase、RedisなどのNoSQLデータベースもサポートします。
これまでOpenStackはIaaS型のクラウド基盤を構築するソフトウェアを提供してきましたが、Troveが正式なコンポーネントとなったことで、より上位サービスをもカバーすることになりました。Icehouseは、その転換点となるリリースといえます。
主要なコンポーネントの新機能
主要なコンポーネントの新機能概要をプレスリリースからまとめました。
コンピュートサービスのNovaでは、稼働中の複数のサーバに対して順次アップデートできるローリングアップデート機能を実装。ブロックストレージのCinderでは、階層化ストレージ環境でのマイグレーションが可能になり、ヘテロな環境でのパフォーマンス管理を実現。オブジェクトストレージのSwiftでは、API経由での問い合わせが迅速化、ネットワークサービスのNeutronではコンピュートサービスとの統合強化によってプロビジョニングの時間が短縮されたなど。
Icehouseはこのほか350もの新機能があり、2902のバグフィックスが行われ、53のサードパーティが継続的インテグレーション(CI)による互換性チェックなどを行っています。
コードのコントリビューションの上位5社はRed Hat、IBM、HP、Rackspace、Mirantisとのことです。
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