機械学習サービス「Microsoft Azure Machine Learning」公開プレビューへ。低コストで手軽に機械学習の実装が可能に
マイクロソフトは、機械学習サービスをクラウドで提供する「Microsoft Azure Machine Learning」の公開プレビューを来月から開始すると発表しました。
機械学習とは、例えばECサイトでの購買履歴を基にしたおすすめ商品の提示、金融取引での取引分析による不正行為の発見、あるいは工作機械の稼働履歴分析による故障時期予想、などの分野で利用されています。
しかし機械学習を実現するには、まず大規模なデータ分析基盤を構築し、そこに機械学習のアルゴリズムを実装したソフトウェアを展開し運用し続けなければなりません。なにより機械学習アルゴリズムの開発と実装には、いわゆるデータサイエンティストと呼ばれるだけの能力を持つ人材が求められます。
Microsoft Azure Machine Learningは、こうした機械学習の基盤をクラウドサービスとして提供する、というものです。
Microsoft Azure Machine Learning, a fully-managed cloud service for building predictive analytics solutions, helps overcome the challenges most businesses have in deploying and using machine learning. How? By delivering a comprehensive machine learning service that has all the benefits of the cloud. In mere hours, with Azure ML, customers and partners can build data-driven applications to predict, forecast and change future outcomes – a process that previously took weeks and months.
Microsoft Azure machine Learningは、予測分析アプリケーションを構築するためのフルマネージドなクラウドサービスであり、機械学習を運用する際に企業が直面するさまざまな課題の克服を支援します
それはクラウドの利点を活用して包括的な機械学習サービスを提供することで実現します。お客様やパートナーの皆様はAzure ML(Machine Learning)によってわずか数時間で、過去数週間から数カ月のデータを分析を基に、将来の実績を変えるような予測や予想を行うデータドリブンなアプリケーションの構築ができるのです。
(「Microsoft Azure Machine Learning combines power of comprehensive machine learning with benefits of cloud - The Official Microsoft Blog」から引用)
(マイクロソフトのエバンジェリスト佐藤直生氏が、発表文の全訳を公開されています「Microsoft Azure Machine Learningが、包括的な機械学習の力をクラウドの利点と統合」)
下記は米マイクロソフトが公開したWindows Azure Machine Learningの紹介動画の画面です。詳しい説明がないので推測ですが、ダッシュボードのような画面から重み付けアルゴリズムの設定を行っているように見えます。
こちらは実際のデータのスキーマに対する重み付け設定でしょうか。
Microsoft Azure Machine Learningは7月から公開プレビューとされていますが、すでに一部の顧客で先行利用が始まっており、小売業ではおすすめ商品の提示、カーネギーメロン大学ではエネルギー供給におけるリアルタイムな故障の発見などに使われていると説明されています。
クラウドにより機械学習の基盤構築と基本的なアルゴリズムの提供がサービスとして行われることが普及すれば、機械学習の実現そのものは差別化要因からコモディティへと急速に変化していくことになりそうです。
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