[PR]物理サーバ群をクラウドのように利用可能。性能オーバーヘッドなし、故障時にはすぐ新サーバへ。ベアメタル型アプリプラットフォーム
クラウドでは一般に物理サーバを仮想化した仮想サーバが提供されます。仮想サーバは論理的な存在であるため、ソフトウェアとして作成、操作、削除などが柔軟にでき、これがクラウドのメリットである、迅速なサーバリソースの調達や運用の自動化などにつながっています。
しかし最近では、この仮想サーバが持つメリットを物理サーバとしても提供できるような、先進的なクラウドプロバイダーやホスティングベンダーなどが登場してきました。
仮想サーバのような柔軟性を物理サーバでも実現できるメリットの最も大きなポイントは性能でしょう。仮想化のオーバーヘッドを気にせず、プロセッサもI/Oも物理サーバの能力の限界まで使い切ることができます。より高度なサーバの集約による運用の効率化や、高負荷に対応したサービスの提供が可能です。
ハイパーバイザも含めて導入できるソフトウェアを利用者が自由に選べることによる自由度の高さと、物理的に占有して利用できるためセキュリティの心配が小さいこと、なども大きな利点です。
株式会社リンクの「ベアメタル型アプリプラットフォーム」は、こうした物理サーバをクラウドの使い勝手で提供できる先進的なサービスとして、5月に提供が開始されました。
物理サーバをまるごと占有、スナップショットも
「ベアメタル型アプリプラットフォーム」の特長を見ていきましょう。
クラウドの操作性と同様に、コントロールパネルから物理サーバをプロビジョニングするため、必要に応じて物理サーバをスケールアウトできます。CentOSやKVMといったOSやハイパーバイザのインストールや、定期的なバックアップの設定、リストアなどもコントロールパネルから可能です。
物理サーバでも仮想サーバのようにテンプレートからサーバを作成。共有ストレージには物理サーバのスナップショットをとることができます。
サーバ故障時にはスナップショットからすぐに別の物理サーバが起動できる点は、専有したサーバの利用を想定したホスティングサービスなどと比較した際に、耐障害性やサービス継続性の面で大きなメリットといえるでしょう。
仮想UTM(ゲートウェイにVPN、不正侵入防御、コンテンツフィルタリングなどが統合されたもの)経由でインターネットと接続し、仮想スイッチによるネットワーク構成を実現しています。ロードバランサ機能も標準で提供。
例えば下記のように本番環境は物理サーバ、検証環境は効率を重視して仮想サーバを採用する、といった運用ができます。
主な料金は、Webサーバ向け「Xeon L系/8GBメモリ/500GB HDD」が月額1万4800円から、データベースサーバ向け「Xeon E5系/32GBメモリ/146GB RAID1+500GB HDD」が月額4万9800円などから。より高性能なプロセッサ、PCIe SSDによる高性能なストレージも選択可能(PCIe SSDは8月より提供予定)。
オプションではきめ細かい運用監視や通知をしてくれるサービス、運用代行、構築支援なども用意されています。
安定した技術をベースにサーバ障害時の対策、トラフィックの検証も厚く
リンクの「ベアメタル型アプリプラットフォーム」の仕組みや開発の経緯について、開発者であるat+link事業部 有原武彦氏と山本誠一郎氏に聞きました。
──── 物理サーバを仮想サーバと同じようにプロビジョニングする技術などは独自開発されたものでしょうか?
有原氏 はい、社内で開発したものです。とはいえ、基本的な技術はほとんどLinuxの安定した技術をベースにしています。
例えば、物理サーバの起動にはネットワーク経由で物理サーバを立ち上げるPXEブートを、スナップショットにはLVM(Logical Volume Manager)をベースにし、バックアップもtarコマンドを使って共有ストレージに保存するようになっています。どれもLinuxで何年も使われてきた実績のある技術で構成されていて、これらがコントロールパネルの裏側で動作しています。
──── サービスを作る上で重視した点は?
有原氏 物理サーバはいつか必ず故障します。スナップショット機能もバックアップ機能も、万が一サーバに障害が起きたときにいちやはく別の物理サーバで元に戻せるように、ということを考えて作りました。
あるサーバが故障しても、すぐにそれを捨てて別の物理サーバで復旧できます。これは障害発生時に故障箇所を見極めたり、メンテナンスのための一時停止が必要だったような従来のオンプレミスやレンタルサーバなどとは大きく違う利便性や安定性を提供できると思います。
──── 物理サーバによるクラウド構成を実現するうえで苦労した点はありますか?
有原氏 ベアメタル型アプリプラットフォームでは、CPUやメモリ、ストレージはお客様が占有しますので、複数のお客様が共有する可能性があるのはネットワークだけなんですね。ですから、ネットワーク周りにはとても気を使いました。
お客様が共有するマルチテナントネットワークの構築にはソフトウェアルータとソフトウェアスイッチを採用したのですが、これでネットワーク性能が確保できるかがいちばん心配でした。
もしも性能が低かったら使い物にならないのではないかと自分でもハラハラしながら検証を繰り返したのですが、ハードウェアルータやスイッチと性能的にほとんど差がないことを確認できて安心した記憶があります。
山本氏 有原が基本的なアーキテクチャを考えたのですが、彼が全然ドキュメントを作らないので(笑)。でも彼の頭にあるアーキテクチャを実現して、いちはやく世の中に出したいというのがプロジェクト全体にあったので、早く実現する上で技術的にどこに注力していくかなどを考えながら、サービス実現のスピードに苦労しました。
──── 「ベアメタル型アプリプラットフォーム」は、どのようなお客様を想定しているのでしょうか?
山本氏 例えば仮想サーバを100台、200台と大規模に展開してサービスを提供しているオンラインサービスやソーシャルゲームなどの事業者さまは、高性能な物理サーバに集約することで効率化できますので、非常に相性がいいと思っています。
エンタープライズ用途での引き合いも出始めています。いまはクラウドの利用がエンタープライズでも本格的な流れになってきていますので、今後はそちらにも力を入れていきたいと考えています。性能やセキュリティの面で物理サーバの利点がありますし、今後は仮想サーバから物理サーバへ、あるいはその逆へと変換できるP2V機能なども実現し、より便利に使っていただけるようにしていきたいですね。
(本記事は株式会社リンク提供のタイアップ記事です)
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