大手クラウドベンダの相次ぐ値下げで、中小クラウドベンダの生き残りは厳しいと、IDCが警告
3月にGoogleがイベント「Google Cloud Platform Live」を開催し、その場でGoogle Cloud Platformの価格体系を刷新し、大幅な値下げを行いました。Googleが値下げを行った翌日には、AmazonがAWS Summit 2014を開催、同社も恒例となった値下げを発表。そしてマイクロソフトも以前から「値下げ合戦には必ず対抗する」と宣言しており、当然のごとく対抗して値下げを発表しています。
こうした大手クラウドベンダの値下げ合戦により、中小規模のクラウドベンダの生き残りが厳しくなっている、という報告「Major Cloud Service Providers Slash Prices; Threaten Smaller Players’ Existence: IDC Warns」(大手クラウドサービスプロバイダの値下げが、小規模事業者の存在を脅かしている。IDCが警告)をIDCが発表しています。
買収されるか押しつぶされるか
IDCアジアパシフィックのChris Morris氏は、この報告の中で次のように書いています。
If the smaller CSPs are strong enough with decent customer bases, they will be acquired by larger providers. If not, then they're road-kill. In any case, both of the above will drive consolidation amongst the cloud vendors
しっかりした顧客ベースを持つ強力な小規模なクラウドサービス事業社は、大きな事業者に買収されるだろう。そうでない事業者は(大規模事業者の進出により)押しつぶされるだろう。いずれにせよ、こうしたことがクラウドベンダの集約を促すことになる。
集約されていくクラウドベンダにとって、大きな差別要因となるのがパートナーやエコシステムだとIDCは指摘しています。Googleがエンタープライズへの本格的な取り組みを示したことで、パートナーをいかに引き付けるかという競争がより激しさを増すと。
With Google getting serious about the enterprise and beginning to capitalize on its huge developer partner ecosystem, the whole partner landscape could get a bit bloody as service providers including AWS, Google, Microsoft, Cisco, Oracle and HP all vie for the same partners.
グーグルが本気でエンタープライズへ参入し、その大きなデベロッパーのパートナーエコシステムへのてこ入れを始めたことで、パートナーの領域全体が血なまぐさくなり、AWS、Google、Microsoft、Cisco、Oracle、HPなどすべては同じパートナーを巡って優劣を競い合うことになる。
クラウドにとってエコシステムが欠かせないことは、AWS Summit 2014でAmazon Web ServicesシニアバイスプレジデントのAndy Jassy氏が強調していたことでもあり、同社は以前から積極的な取り組みを見せていました。このパートナー戦略の面でも、クラウドのトップを走るAmazonは他社より頭一つ抜き出ているように見えます。
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