IBM、SoftLayerクラウドで人工知能「Watson」ベースのビッグデータ分析サービスを発表。基盤としてPowerSystemを投入。IBM Pulse 2014

2014年2月26日

米IBMがラスベガスで開催中のイベント「IBM Pulse 2014」。2日目のジェネラルセッションでは、SoftLayerクラウド上で、人工知能Watsonをベースにしたビッグデータ分析サービスなどを提供することが発表されました。

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Watsonはクイズ番組で人間のチャンピオンと渡り合う能力を持つ人工知能として知られています。IBMは大量のデータを基に人間のように認知し判断するWatsonの技術を「コグニティブ・コンピューティング」(Cognitive Computing)と呼び、これを商用化する部門を今年1月に立ち上げたばかりです。

SoftLayerで提供される新サービスは、膨大なビッグデータに対する情報の分析や抽出を支援するための「Watson Discovery Advisor」「Watson Engagement Advisor」。さらにサードパーティがWatsonをベースにしたアプリケーションを開発するためのSDKやAPIを提供する「The Watson Development Cloud」

基盤にPowerSystemを投入

Watsonベースのサービスは、IBMのPowerSystemをSoftLayerのクラウドインフラストラクチャとして投入し、その上で構築されることも合わせて発表されました。

さらにPowerSystemに最適化されたデータサービス「DB2 BLU」「IBM Cognos」および、PowerSystemの物理サーバそのものをオンデマンドで提供するサービスも提供予定です。

クラウドのコモディティ化に立ち向かうためのWatson

IBMがx86サーバ部門を手放す理由となったのは、x86サーバそのものがコモディティ化したためでした。一方で、昨年買収したSoftLayerが提供するクラウドを見ると、x86サーバをベースにしたIaaS型クラウドの分野では急速な低価格化や機能の類似化が進んでおり、コモディティ化の道をまっしぐらに進んでいます。

IBMがSoftLayerの上にWatsonを構築し、高度なデータ分析サービスを提供することや、PowerSystemのようなハイエンドサーバによるサービスの構築を積極的に推し進めている背景には、こうしたクラウドのコモディティ化に巻き込まれず、高い付加価値をクラウドによって提供し続ける戦略があるのだと考えられます。

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