米IBM、半導体の微細化限界となる7nmへの挑戦と、その先のカーボンナノチューブ、ニューロ、量子コンピュータの研究へ3000億円の大規模投資を発表
半導体による集積回路は、いわゆるムーアの法則に沿ってほぼ毎年のように集積率が倍増してきました。これを支えてきたのが半導体の微細化技術です。
現在、インテルのHaswell世代のプロセッサでは微細化が22nmまで進み、今後数年かけてこれが14nm、10nmとさらに小さくなっていくと予想されています。
しかし微細化が進むにつれて、熱によってチップが溶ける、あるいは量子論に支配されて電子の位置が決定できなくなるなど集積回路として作動させるための課題が大きくなるため、どこかで限界がやってきます。そしてその限界は7nmから5nm程度であろうと言われています。
米IBMは、半導体の微細化をこの限界ぎりぎりの7nmまで突き詰めること、および半導体の次の世代の技術とされるカーボンナノチューブやニューロコンピュータ、量子コンピュータを実現することを柱とした研究に今後5年間で30億ドル(日本円で約3000億円)を投資すると発表しました。
選択肢はカーボンナノチューブ、ニューロ、量子コンピュータ
IBMの技術者は7nmへの挑戦について、驚異的な挑戦であり、物理学的に高度な扱いになるだろうとプレスリリースでコメントしています。
"Scaling to 7nm and below is a terrific challenge, calling for deep physics competencies in processing nano materials affinities and characteristics. IBM is one of a very few companies who has repeatedly demonstrated this level of science and engineering expertise," said Richard Doherty, technology research director, The Envisioneering Group.
そして7nmを超えようとすると課題が劇的に増大するとしています。その選択肢にはカーボンナノチューブ、ニューロコンピューティング、量子コンピューティングなどがあるとのこと。
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