Google、新しいSDNベースのネットワーク仮想化基盤「Andromeda」をクラウドに投入。ネットワークの高速化を実現
Googleは同社のクラウドサービス「Google Cloud Platform」のネットワーク仮想化基盤として「Andromeda」(コード名)を、まず米国内の2つのゾーン「us-central1-b」と「europe-west1-a」に投入。クラウドのネットワークスループットが向上したことを、Google Cloud Platform Blogのエントリ「Enter the Andromeda zone - Google Cloud Platform’s latest networking stack」で明らかにしました。
Andromeda導入でスループットが約2倍に
Andromedは、Software-Defined Networkingをベースにしたネットワーク仮想化基盤だと説明されています。
Andromeda is a Software Defined Networking (SDN)-based substrate for our network virtualization efforts. It is the orchestration point for provisioning, configuring, and managing virtual networks and in-network packet processing.
Andromedaとは、ネットワーク仮想化の取り組みに対するSoftware-Defined Networkingベースの基盤。これは仮想ネットワークのためのプロビジョニング、コンフィギュリング、管理とネットワーク内パケット処理のオーケストレーションポイントだ。
(Enter the Andromeda zone - Google Cloud Platform’s latest networking stackから引用)
以下がAndromedaの概要です。左から、サーバのソフトウェアスイッチ、NIC、仮想マシンを束ねたトップオブラック、ファブリックスイッチ、ストレージのパケット処理、クラスタコントローラを一手に集中管理しているのがAndromedaコントローラとなっています。
興味深いのは、ネットワークのエッジとなるソフトウェアスイッチやNICだけでなく、トップ・オブ・ラックやファブリックスイッチ、クラスタルータなどネットワーク全体を制御し、さらにストレージのパケットも処理しているというところです。恐らく経路の最適化なども含めて制御を行っているのでしょう。
Andromedaのゴールとして、ネットワークの物理的な性能をできるだけそのまま得つつ、ネットワークの機能はソフトウェアによって仮想化する、というもの。
Andromeda's goal is to expose the raw performance of the underlying network while simultaneously exposing network function virtualization (NFV).
Andromedaのゴールは、下位層のネットワーク性能を得つつ、同時にネットワーク機能の仮想化(NFV)をしてくことです。
(Enter the Andromeda zone - Google Cloud Platform’s latest networking stackから引用)
このAndromeda投入によって、従来比でスループットが約2倍になったことが示されています。
Andromedaはさらに改善を進めていく予定で、今後は低レイテンシ、堅牢なストレージ、NFVのAPI提供、仮想マシンのライブマイグレーションなども実現していくとのこと。
Andromedaについては、Open Networking Summit 2014の講演で詳しく紹介されています。YouTubeで講演内容を見ることができます。
Andromedaは今後数カ月でほかのゾーンにも投入予定。
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