Googleがついにアジア(のどこか)にGoogle Compute Engineのデータセンター設置を発表。管理画面も日本語対応
Googleがクラウドベンダとして、AmazonクラウドやMicrosoft Azureと本気で競合しようとしていることは、3月末に開催したイベント「Google Cloud Platform Live」で積極的な価格競争を仕掛けてきたことで鮮明になりました。
そのGoogleは、次の一手としてアジア太平洋地域に同社のデータセンターを設置したことを、ブログにポストした記事「Google Cloud Platform expands to Asia Pacific」で明らかにしました。
Now, more developers in Asia Pacific can experience the speed and scale of Google’s infrastructure with the expansion of support for Cloud Platform. Today we switched on support for Compute Engine zones in Asia Pacific, as well as deploying Cloud Storage and Cloud SQL.
アジア太平洋地域の多くのデベロッパーが、Googleのクラウドプラットフォームの拡張によって高速かつスケーラブルな体験を得られるようになりました。本日、私たちはCompute Engineのアジア太平洋地域のゾーンのサポートを開始し、同じくCloud StorageとCloud SQLのデプロイも行いました。
(「Google Cloud Platform expands to Asia Pacific」から)
管理画面(Developer Console)の日本語、中国語(繁体字)対応も行われました。
そしてこのデータセンターも、Googleの最新ネットワーク仮想化基盤「Andromeda」で接続されているとのこと。
データセンターの設置国は明らかにせず
Googleは新たにデータセンターを設置した場所として「アジア太平洋地域(Asia Pacific)」としか発表しておらず、それが東京なのか、シンガポールなのか、あるいは上海やオーストラリアなのか、具体的な都市名については言及していません(Google社内の関係者に打診してみましたが、ブログの情報以上は公開できないとのこと)。
クラウドをエンタープライズの用途で利用する場合、データセンターがどの国にあるのかを気にするユーザーが少なくありません。それはつまり、データが物理的に存在する場所の法制度や治安を気にしているためです。
それを知ることが本当に利用者にとって重要な意味を持つかどうかについては議論が分かれるところですが、少なくとも利用者が判断できる情報を提供しているというマーケティング的なメッセージとして大きな意味を持ちます。
そうした中でデータセンターの設置国さえ明確にしないのは、いかにもGoogleらしいとはいえ、エンタープライズのマーケットを攻めるうえでは、競合と比較してもう1つインパクトが弱いところです。
とはいえ、価格面での積極攻勢に加えて今回のデータセンター拡充と、Googleが競合をキャッチアップすることに本気であることは明らかです。さらに次の手、また次の手と今後も積極展開が続くことでしょう。
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