Google Cloud Debugger発表。クラウド上でアプリケーションの変数の値をチェック可能に。ログの統合やレスポンスの統計機能も
Googleは11月4日、サンフランシスコで開催したイベント「Google Cloud Platform Live」で、Google App Engineの新機能「Cloud Debugger」を発表しました。
Cloud Debugger、ソースコードにウォッチポイントを設定可能
特定のコンピュータで実行されるアプリケーションであれば、そのマシン上で実行されるアプリケーションにブレークポイントを設定し、ある時点での変数の値を参照することでデバッグに役立てることができます。
しかしクラウドアプリケーションでは多数のサーバ上で複数のインスタンスが同時に実行されているため、1台のマシンでブレークポイントを設定して変数の内容を参照しても、デバッグの参考になるような情報が得られるとは限りませんし、既存のデバッグツールを使って何百台もある多数のサーバにブレークポイントを設定するのも現実的には困難です。
Googleが発表したCloud Debuggerは、Google Developer Console画面からソースコード上に「ウォッチポイント」を設定でき、それがクラウドアプリケーションの全てのインスタンスで有効になります。
アプリケーション実行時にウォッチポイントに到達すると一瞬だけ一時停止してその時点での変数の値が保存され、すぐに実行が継続されます。保存された変数の値はコンソール画面から参照できるため、プログラマはその情報をデバッグに役立てることができます。
また、ウォッチポイントで変数が特定の条件に合致したときのみ変数の値を保存し、参照することもできます。
変数の値を保存するための一時停止時間は10ms以下で、アプリケーションの実行速度にはほとんど影響せず、標準で有効になっているため設定も不要。
Cloud DebuggerはGoogle App EngineのJavaでベータ版として利用可能。今後ほかの言語や環境でも利用できるよう、開発を進めています。
ログを統合するCloud Logsと性能追跡ができるCloud Trace
Googleはあわせて、クラウドアプリケーションを構成する多数のインスタンスから生成されるログを統合し、コンソールから参照したり、フィルタリングを掛けて特定のログを参照する機能を備えたGoogle Cloud Logsも紹介。
さらに、HTTPのレスポンスタイムの統計を取ってグラフ化し、アプリケーションの性能を追跡できる「Google Cloud Trace」も数週間以内にGoogle App Engineで利用可能になると発表しました。
Cloud Platform Live
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