Google Compute Engineに続き、Google App EngineもDockerサポートを発表。Dockerをクラスタ化して管理するツール「Kubernetes」をオープンソースで公開
Googleは昨年2013年12月にIaaS型クラウドサービスの「Google Compute Engine」を正式サービスとして開始した際に、コンテナ型仮想化のDockerを正式にサポートすると発表しました。
そして今度はPaaS型クラウドサービスの「Google App Engine」でDockerのサポートを開始すると、6月10日付けのブログ「An update on container support on Google Cloud Platform」で明らかにしました。
Google App Engineは、PythonやJava、PHP、Goなどのアプリケーションの実行環境と、スケールアウトやフェイルオーバーなど自動化された運用環境を提供しますが、今年の3月には「Managed Virtual Machines」(Managed VM)と呼ばれる新機能が追加されました。
Managed VMはGoogle App Engine内で仮想マシンを実行でき、しかもその仮想マシンのモニタリング、ロードバランス、障害対応などの運用もGoogle App Engineに任せることができます。
今回発表されたGoogle App EngineのDocker対応は、このManaged VMをDockerに対応させ、Dockerイメージをロードして実行できるようにしたもの。アプリケーションを容易にGoogle App Engine内のManaged VMへデプロイできるようになります。
コンテナの管理ツール「Kubernetes」がオープンソースで公開
Googleは同時に、「Kubernetes」と呼ぶ、Dockerコンテナをクラスタとして多数のマシンに展開、管理、レプリケーションといった機能を備えたオープンソースのソフトウェアを公開しました。
Kubernetesを公開した理由は、次のように説明されています。
Based on our experience running Linux containers within Google, we know how important it is to be able to efficiently schedule containers at Internet scale. We use Omega within Google, but many developers have more modest needs. To that end, we’re announcing Kubernetes, a lean yet powerful open-source container manager that deploys containers into a fleet of machines, provides health management and replication capabilities, and makes it easy for containers to connect to one another and the outside world.
Google内部でLinuxコンテナを運用してきた経験から、インターネットスケールにおいてはコンテナを効果的にスケジューリングできることがいかに重要かを知っている。われわれは内部でOmegaというツールを使っているが、多くのデベロッパーはもう少し扱いやすいツールの方がニーズがあるだろう。
そこで、われわれはKubernetsを公開した。これは小さいけれども強力なコンテナマネージャで、コンテナを一連のマシンにデプロイし、稼働状況の管理やレプリケーションの機能などを提供する。また、コンテナへの接続なども容易にする。
ちなみにKubernetesは「koo-ber-nay'-tace」と発音し、操舵手という意味のギリシャ語とのこと。コンテナをクラスタに展開して運用できるツールはすでにMesosやCoreOSなど複数登場していますが、Kubernetesはその本命に浮かび上がるでしょうか。
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