Fusion-ioがSanDiskによる買収合意へ。迅速なグローバル展開を優先させるためか
PCIe接続のフラッシュストレージベンダとして急成長してきたFusion-ioを、フラッシュメモリ関連製品で知られる米SanDiskが買収することが発表されました。
買収価格は1.1ビリオンドル(約1100億円)。
Fusion-ioは今月、新世代製品となるPCIeフラッシュストレージの新シリーズ「ioMemory Atomic Series」の発表と、「アプリケーションを速くすることにフォーカスする」という戦略を明確にしたばかりでした。
Fusion-ioは2005年にDavid Flynn氏とRick White氏が創業、2009年にはチーフサイエンティストとしてSteve Wozniac(スティーブ・ウォズニアック)氏が入社し、2011年にニューヨーク証券取引所へ株式公開。しかし2013年には創業者が2人とも退社、新CEOには米ヒューレット・パッカードのCTOだったShane Robison氏が就任しています。
そのRobison氏は、買収発表のプレスリリースで次のように発言しています。
“Fusion-io’s innovative hardware and software solutions will be augmented by SanDisk’s worldwide scale and vertical integration, enabling a combined company that can offer an even more compelling value proposition for customers and partners.”
Fusion-ioの革新的なハードウェアとソフトウェアのソリューションは、SanDiskのワールドワイドな展開と垂直統合によって補強され、パートナーやお客様にとってより競争力のある価値を提供できるようになるだろう。
競争が厳しくなるサーバサイドフラッシュ
PCIe接続のサーバサイドフラッシュはSanDiskも製品展開をしており、またEMCのような大手ベンダも本格参入し、技術面での差別化が難しくなると同時に多数のベンダの参入によって競争が激しくなっている分野です。先月にはViolin Memoryが同社のPCIeフラッシュストレージ製品群を韓国のSK hynixに売却するという発表もされています。
Fusion-ioはこうした競争の中で、技術面に加えてパートナー戦略とグローバル展開を今後の強化策として挙げていました。
参考:「Fusion-ioは汎用ストレージのベンダになるつもりはない」、転換期を迎えたFusion-io。次の一手を聞く - Publickey
SanDiskに買収されることを合意した背景には、Fusion-io単独でパートナーとの連係やグローバル展開をこれから始めるよりも、SanDiskと一体になってこれらを推進することが競争を勝ち抜く上で重要である、という判断があったのではないかと推測されます。
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