Fusion-io、微細化したNANDチップを採用しつつ性能を向上させた新フラッシュストレージ「ioMemory PX600/SX300」販売開始。エンタープライズ向けとハイパースケール向け
Fusion-ioは、従来製品の後継となるPCIeフラッシュストレージ製品2機種を今日から国内で販売開始すると発表しました。
新製品はエンタープライズ向けにデータベースやサーバ仮想化などの用途を想定し、性能を重視した「ioMemory PX600」と、オープンソースなどを用いて大規模処理を構築するなどの用途を想定したハイパースケール向けの「SX300」の2つ。最大容量はそれぞれ5.2テラバイトと6.4テラバイト。
両機種とも従来製品に対してスループットや読み込み、書き込みのIOPSなどの性能を向上させたほか、新しいエラー訂正技術を採用したことで信頼性が向上し、エラー発生率の低下と、書き込み容量にして2倍の耐久性を実現しています。
またioMemory SXでは従来製品より消費電力も16%低減させたとのこと。
従来より微細化したNANDフラッシュチップを採用
Fusion-ioのシニアバイスプレジデントでチーフテクノロジストのJim McDonald(ジム・マクドナルド)氏は、新製品ではNANDフラッシュチップの製造プロセスが従来よりも一世代進み、より微細化したチップを採用したと説明。内部的にはこの新世代のNANDチップを採用したことが大きな特長になっているとしました。
NANDチップは微細化が進むにつれて容量が増加するため、容量あたりの価格低下が期待できますが、微細化は同時にレイテンシーの増加やエラー発生率の増加、耐久性の低下などの性能の低下も引き起こします。
こうした性能が低下したNANDチップを採用しつつ、コントローラなどの改良によって性能や信頼性を従来製品よりも向上させた点が、新製品における技術的な課題だったとマクドナルド氏は明かしています。
新製品は従来製品の後継となる位置づけですが、当面は従来製品の販売も継続されます。ただしNANDチップが新世代へ移行するにつれて従来製品のベースとなる現世代のNANDチップの供給は減っていくため、いずれかの時点ですべて新製品へと移行することになるとのこと。
SanDiskによる買収関連のアップデートはなし
Fusion-ioはSanDiskに買収されることが6月に発表されました。しかしまだ買収は完了しておらず、現時点では報道されている情報以上のアップデートはないとのことです。
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