EMC、Software-Defined Storageを実現するViPRの無償ダウンロードを開始。本番環境以外の利用は無制限
複数のストレージを束ねて1つの大きな仮想化ストレージアレイとして扱い、必要に応じてそこからストレージをプロビジョニングし、利用可能にする機能を備えているのが、EMC製のソフトウェア「ViPR」です。いわゆるSoftware-Defined Storageを実現するソフトウェアとされており、EMCのストレージだけでなくNetAppなど他社のストレージもサポートします。
ViPRは、昨年2013年の5月にラスベガスで行われたEMCのイベント「EMC World 2013」で華々しく発表され、11月には日本でも正式出荷が開始された製品です。
米EMCは1月27日、このViPR 1.0を無償で公開し、誰でもダウロード可能にしました。同社グローバルシステムエンジニアリングSVP Chad Sakac氏が、自身のブログ「Virtual Geek」にポストしたエントリ「Two “Big Deals” – EMC Architect Tool, and a HUGE new way to get EMC software.」で明らかにしました。
公開されたViPRに機能や利用期間などの制限はなく、製品と同じもの。ただし本番環境で利用するなどの商用利用などは禁止されており、当然ながらEMCによる正式なサポートもありません。
あわせてインストレーションガイド、アドミニストレーターガイド、ユーザーガイドなど関連するドキュメントも公開されています。
Software-Defined Storageの主導権を得るのが狙いか
ネットワークの分野で盛り上がっているSoftware-Defined Networkでは、OpenFlowなどの要素技術とともにSoftware-Defined Networkとはどういうものかといったコンセンサスが、一定程度形成されています。
しかしストレージ分野におけるSoftware-Defined Storageは、さまざまなベンダがこの用語を掲げているにもかかわらず(あるいは、掲げているからこそ)、それが一般的にどのようなものなのか、どのような要素技術で構成されるのか、といったコンセンサスが業界としてまだほとんどできあがっていないように思えます。
EMCがViPRを無償で公開するのは、こうした状況の中でViPRをSoftware-Defined Storageを象徴するソフトウェアとして認知度を高め、この分野におけるコンセンサスや技術的な面での主導権を積極的に取りに行くという狙いがあるのかもしれません。
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