インフラ自動化ツールのChefもDocker対応へ。「Chef Container」ベータ版発表
データセンター内のサーバ設定やアプリケーションのデプロイなどの自動化ツールとして知られるChefが、Dockerに対応した「Chef Container 0.2.0(beta)」を発表しました。
DockerはLinuxコンテナ技術の1つとして軽量な仮想環境を実現し、分散アプリケーションを迅速にデプロイするなどの用途で広く使われようとしています。Dockerには、Dockerの構成を記述するためのDockerファイルがありますが、分散環境に適した自動化された構成手法が望まれており、現在さまざまな技術が登場しつつあります。
ChefがDockerに対応することで、既存のRecipeやCookbookといった構成ファイルをDockerの環境にも適用できるようになるため、管理者はこれまでの環境をDockerによるLinuxコンテナ環境へと移行しやすくなるでしょう。
Docker内で動作するChefクライアント
Chef Containerは、Dockerコンテナ内で動作するChefクライアントで、Dockerコンテナの構成を行ってくれます。
chef-container provides a consistent configuration management experience across container solutions. It does this by bundling the Chef client with runit and chef-init. runit is a lightweight, cross-platform, open-source init system, and chef-init is a RubyGem that acts as the entry point into a container.
Chef Containerは一貫した構成管理をコンテナ全体に提供します。それは、runitとchef-initからできており、runitは軽量でクロスプラットフォーム、オープンソースなinitシステムであり、chef-initはコンテナ内のエントリポイントとして動作するRubyGemです。
-- 「Release: Chef Container 0.2.0 (beta) | Chef Blog」から
Chef Containerと合わせてKnife Containerプラグインも提供されます。
The knife container plugin lets you use Chef to manage the lifecycle of container images. The first release of knife container provides the workflow specific to managing Docker images. It allows you to create, delete and manage Docker images.
Knife Containerプラグインは、Chefでコンテナイメージのライフサイクル全体を管理できるようにします。最初のバージョンのKnife ContainerはDockerイメージの管理に特化されており、Dockerイメージの作成、削除、管理を提供します。
現在、仮想化技術の主流であるハイパーバイザによるハードウェアレベルの仮想化にはChefをはじめとして多くの管理ツール、自動化ツールが存在します。それらはChefが今回Dockerに対応したように、次々にDockerに対応していくことになるはずです。
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