エンタープライズ向けの継続的デリバリツール「CA LISA Release Automation」販売開始。仮想化、クラウド、ミドルウェア、ERPなど複雑な環境でのデプロイを容易に
オンラインサービス関連のアプリケーション開発では、Jenkinsを用いてビルド、テストしたアプリケーションをChefやPuppetなどでクラウドへデプロイするという方法が広まってきています。
一方でエンタープライズ向けのアプリケーション開発では、例えばアプリケーションが複数の業務アプリケーションとの連係に依存していたり、あるいは特定のOSとミドルウェアやデータベースの組み合わせが必要といった環境の複雑さによって、なかなか簡単に自動テストや自動デプロイを実現できていないのが現状です。
しかし、当然ながら業務アプリケーションにおいてもより迅速かつ柔軟に開発し運用するための自動化を進めたいという要求は高まってきており、それが例えばIBMやマイクロソフトのような大手開発ツールベンダがいま声高にエンタープライズ向け「DevOps」を打ち出し、製品をリリースしていることにつながっています。
このエンタープライズ向けDevOps市場へ継続的デリバリツール「CA LISA Release Automation 5.0」の国内販売開始で本格参入を宣言したのがCA Technologiesです。
エンタープライズ環境
同社はすでに、テストや負荷テストの自動化ツール「CA LISA Test」、テストに必要なデータベースや関連アプリケーションなどがあたかも存在するような環境を仮想的に構築することでテスト環境を簡単に用意できる「CA LISA Service Virtualization」、運用時のモニタリングツール「CA APM」「CA LISA Pathfinder」などをリリースしています。
ここに今回加わったのが、アプリケーションのビルドからデプロイまでを自動的に行えるツール「CA LISA Release Automation 5.0」です。
CA LISA Release Automationは、ビルドからデプロイまでのプロセスをグラフィカルなワークフローとして定義可能。エンタープライズにおける複雑な環境にも対応しています。
例えばソースコードリポジトリからコードをとってきてビルドを行い、テストツールに渡して自動テストを実行。テストを通過したら、VMwareで仮想マシンを立ち上げ、WebLogicをインストールして環境変数をセットし、データベースサーバにはスキーマを読み込ませてデータベースを作成し、データを流し込んだ後でアプリケーションをデプロイ、といった設定が可能。
主要なOSやミドルウェア、クラウド、プラットフォームなどに対するアクションがあらかじめ900種類ほど定義されており、細かなスクリプト作成をできるだけ不要にしています。
またビルドの部分はVisual StudioやJenkinsといった既存のツールにまかせるなど、外部ツールとの連係機能も備えています。
ビルドからQA、デプロイまでを自動化することによって、継続的デリバリを実現。国外の事例としてある小売業で2.5日かかっていたデプロイが20分に、ある銀行では12日が1.5分になるなど、アプリケーションのデリバリにかかる時間とコストが大幅に圧縮できると同社は説明しています。
CA LISA Release Automationの国内出荷は6月5日から。価格はデプロイなどの対象となるサーバにエージェントをインストールする必要があり、それが1台あたり32万5000円から。
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