[速報]まるでクラウドで走るマクロ言語「AWS Lambda」発表。AWS re:Invent 2014
Amazon Web Servicesは、同社の年次イベント「AWS re:Invent」を米ラスベガスで開催しています。
2日目の基調講演で発表された「Amazon EC2 Container Service」に続く新機能が、まるでクラウド上でマクロを走らせるような「AWS Lambda」の発表です。インスタンスなど明示的にコードを実行する基盤を用意する必要がなく、クラウドの上でコードがそのまま走るため、シンプルで信頼性が高く、しかも容易に記述できるのが特徴です。
発表の内容をダイジェストで紹介します。
AWS Lambda発表
Amazon.com CTO Werner Vogels氏
アプリケーションの基本的要素(Primitives)とはなんだろうか?
スプレッドシートの例で考えてみよう。セルをアップデートするというイベントが発生すると、別のセルに書き込まれた関数がイベントに反応し、値がアップデートされる。
関数は簡単に追加できるし、多くの関数を書き込んでも並列処理されスケーラブルだ。
これは関数とデータがイベントをトリガーとして相互にインタラクションするという世界である。
これを見ると、基本的な要素というのはコンポーザブル(組み立て可能)で、変更などが容易で、いつも値が最新に保たれるダイナミックなものだといえる。
一方でわれわれが作るアプリケーションは、たいがい複雑で高価である。
なぜわれわれは、シンプルなアーキテクチャを持てないのだろうか?
そこで「AWS Lambda」を発表する。
AWSのサービスのイベントなどに反応してラムダ関数が動く。
実行になんらかのサービスやインスタンスの起動は不要だ。クラウドの上でそのままコードを実行する。
例えばAmazon S3からのノーティフィケーションなどのイベントに反応してコードが実行される。イベントに対してミリセカンドの単位ですぐに反応し、数千の処理がパラレルで実行できる能力を持つ。
簡単に記述できてメンテナンスはほとんどいらない。
データがクラウドに送られたら、そのイベントに反応して処理を行うといったことを、サーバー不要でバックエンドが作れる。
例えば、モバイルから画像データをAmazon S3に保存すると、そのイベントに反応してDynamoDBに画像の位置情報などのメタデータを保管。それをさらにトレンド分析してDynamoDBにさらに保管する、といったことが記述できる。
もちろんデベロッパーによるカスタムイベントに反応することもできる。IoTからのセンサーからクラウドに送られる温度データが変化したらショートメッセージをモバイルデバイスに送る、といったことも可能だ。
AWS Lambdaはこうした処理を、インスタンスの起動もなく、非常にシンプルで信頼性が高く、しかも並列処理を実現できる。
AWS Lambdaは、アプリケーションの制御や管理に大きな進化をもたらすことだろう。
すべてのユーザーに320万秒分の実行時間と100万リクエストの無料分を提供する。
参考:Amazon Web Services ブログ: 【AWS発表】AWS Lambda – クラウド上でのコード実行
AWS re:Invent 2014
Day1
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