分散システムでコードレベルチューニング、トラブルシュートに対応したAppDynamicsが日本法人設立
「これまではサーバが主なシステム管理対象だったが、モダンなアプリケーションでは分散システムのトランザクションを監視しなければならなくなった」。米AppDynamicsの創業者でCEOのジョティ・バンサル(Jyoti Bansal)氏は、分散システムの監視を行えるのが同社製品「AppDynamics Pro」の特徴の1つだと説明します。
AppDynamics Proはサーバにエージェントを常駐させると、エージェントがサーバ上の実行系に関与し、Javaや.NET、PHPなどのバイトコードやSQL文の実行状況を監視できるようになるツールです。「オーバーヘッドは1%~2%程度」(バンサルCEO)。
エージェントを分散システム内の各サーバに導入すると分散システム全体を俯瞰するようになり、トランザクションのコンテキストを認識するようになります。例えばWebブラウザ上のショッピングカートに商品が入れられ、購入ボタンを押して決済が終了するまでの一連のトランザクションを自動的に認識。トランザクションが何らかの原因で遅延したり失敗した場合、原因やボトルネックはどこにあるのか、分散システム内のコードレベルへドリルダウンして追及可能です。
この、トランザクションをビジネスの流れに沿って理解できる点がAppDynamics Proのもう1つの特徴といえます(管理コンソールからコンテキストを指定も可能とのこと)。また学習機能によって、コードの挙動やパフォーマンスのパターンを学習。異常動作の検出などが自動化されています。
対応言語はJava、.NET、PHP、Node.jsなどで、Oracle、MySQLなどのデータベースにも対応。
日本法人を設立して本格展開
AppDynamics Pro製品は約2年ほど前から日本で数社が取り扱っていましたが、すでに今年1月までに日本、オーストラリア、シンガポール、インドとアジア地域にオフィスを開設してアジア戦略を展開するとともに、日本法人「アップダイナミクスジャパン合同会社」を設立し本格的に日本国内で展開を開始すると発表しました。
日本法人にはセールスチームトテクニカルチームを置き、引き続きパートナー経由での販売を行っていくとのことです。
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