マイクロソフト、クラウドのプロセッサをAMDからXeonへ切り替えか。従来より60%高速なプロセッサとSSDを搭載した新インスタンス「D-Series」が利用可能に
マイクロソフトは同社のクラウドサービス「Microsoft Azure」で、従来より高速なプロセッサとSSDを搭載した新しいインスタンス「D-Series」を公開しました。
これまでMicrosoft Azureでは「A-Series」と呼ばれるインスタンスが利用可能で、コア数とメモリ容量、ディスクサイズによって、1コア0.75GBメモリを備えた最小の「A0」から16コア112GBメモリの「A9」までが選択できました。
今回利用可能になった「D-Series」は新しいインスタンスのシリーズで、A-Seriesに比べて約60%高速なプロセッサを搭載。最小インスタンスの「D1」は、1コアで3.5GBメモリ、最大インスタンスの「D14」は16コアで112GBメモリとなっています。
さらにD-Seriesは標準でローカルディスクにSSDを採用。「D1」で50GB、最大の「D14」では800GBが利用できます。SSDはWindowsではDドライブに、Linuxでは/mntもしくは/mnt/resourceにマウントされる構成になっています。
D-Seriesの価格はWindowsをJapan Eastリージョンで利用した場合、「D1」が1時間当たり21.53円、「D14」が288.15円。ただし年内はより安価なUS South Centralの料金で利用可能。
AMDのプロセッサからXeon Dシリーズに移行か
以前取材したマイクロソフト関係者の話によると、Microsoft Azureは当初からAMDのプロセッサを採用していました。また、インスタンスのコア数は仮想コア数がそのまま物理コア数に割り当てられており、高いレベルで安定した性能が提供できるとも言われていました。
おそらく従来のインスタンス名である「A-Series」はAMDのAだったのではないでしょうか。すると「D-Series」の「D」の有力な候補となるのが、インテルがちょうど今月から公式に展開を始めたデータセンター向けの新しいプロセッサ「Xeon processor D product family」(以下Xeon Dファミリー)です。
Xeon DファミリーはSoC(システムオンチップ)で、14nmプロセスで製造されたBroadwell世代のマイクロプロセッサで、10GbEの機能をプロセッサに統合するなど、大規模データセンターでの展開に最適化されたものです。大規模調達に合わせてコストも下げられていることでしょう。
Microsoft AzureのD-Seriesインスタンスはこれを新しく採用したのではないでしょうか。
ただし今日(9月24日)時点でXeon Dファミリーのページには、まだ出荷されておらず今年後半に詳細を公開するとありますので、この予想は外れている可能性もあります。機会を見てマイクロソフト関係者に取材をしたいと思います。
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