米ガートナー、2014年版ハイプサイクルを発表。IoT、3Dプリントなどが期待のピーク、ビッグデータ、インメモリDBは幻滅期へ
米調査会社のガートナーは、エマージングテクノロジーに関するハイプサイクルの2014年版「Gartner's 2014 Hype Cycle for Emerging Technologies Maps the Journey to Digital Business」を発表しました。
現時点で黎明期(Innovation Trigger)を上っているのは、Brain-Computer Interface(脳結合インターフェイス)やHuman Augmentation(人間拡張)、Quantum Computing(量子コンピュータ)、Smart Robots(知能を持つロボット)、Biochips(バイオチップ)など。
期待のピーク(Peak of Inflated Expectations)にあるのは、Internet of ThingsやWearable User Interfaces、Consumer 3D Printingなど、いままさに盛り上がっているおなじみのテクノロジー。
そして幻滅期にさしかかっているのがBig Data、In-Memroy Database Management System、幻滅期の谷を渡っている最中なのがCloud Computing、NFC、Virtual Realityなど。
the Journey to Digital Business
今回のハイプサイクルには「the Journey to Digital Business」(デジタルビジネスへの道程)という一文が入っているとおり、同社はエマージングテクノロジーが成熟するに従ってデジタルビジネスというものが発生するとしています。そのデジタルビジネスとは、技術の進化に従ってビジネスが変化する次の6つの経過をたどるとしています。
ステージ1:アナログ
ステージ2:Web
ステージ3:Eビジネス
ステージ4:デジタルマーケティング
ステージ5:デジタルビジネス
ステージ6:オートノモス(Autonomous)
現在はちょうどステージ3からステージ4のデジタルマーケティングが勃興しているところですが、ガートナーによるとステージ4の「デジタルマーケティング」とは、企業が消費者に対してソーシャルやサービスなどを通じて洗練された手法でリーチする、というもの。ステージ5の「デジタルビジネス」は物理世界と仮想世界の境界を取り払ってあらゆるものをデジタルとして扱うというコンセプトを用いるもの。ステージ6の「オートモノス」では、企業の能力をヒトのように振る舞うテクノロジーやヒトの代わりになるようなテクノロジー、例えばコグニティブコンピューティング(いわゆる人工知能のようなもの、IBMのWatsonが有名)で拡大していく、と説明されています。
デジタルビジネスではInternet of Thingsやセンサー、AR(人工現実)などが活用されそうですし、オートノモスの時代には脳結合インターフェイスやスマートロボットが活躍するのでしょうか。そのときに人間の労働者のあり方や働き方はどうなってしまうのか心配にもなってきますが、まさに今回のハイプサイクルで黎明期にあるようなテクノロジーが、この先のビジネスに大きな変化をもたらしそうです。
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