Windows対応の統合開発環境「Delphi」がAndroidネイティブアプリ開発に対応、クロスコンパイラ搭載で。iOS7対応も間近。エンバカデロ・テクノロジーズ
Windows対応のビジュアル統合開発環境「Delphi」の新バージョン「Delphi XE5」が、Androidに対応したクロスコンパイラを搭載しネイティブなAndroidアプリケーション開発に対応しました。
画面フォームにボタンやテキストフィールドなどを並べてプロパティを設定し、コードを記述していくという一般的なWindowsアプリケーションの開発環境がそのまま、Androidアプリケーションの開発環境として使えるようになります。
UIコンポーネントはAndroid標準のスタイルにも対応しており、Androidのスマートフォンやタブレットなどの主要機種でどのように表示されるのか画面レイアウトを確認しながら開発を進めていくことができます。位置情報やカメラ、モーションセンサー、ノーティフィケーションなどのデバイス固有の機能をプログラムから容易に利用するためのコンポーネントも用意されています。
REST APIとJSONに対応したコンポーネントも新たに追加されたため、いわゆるモバイル向けのバックエンドサービス(BaaS)との連係もプログラミングが容易になっています。
アプリケーションはボタン1つでビルドされ、生成されたバイナリを実記に転送し、すぐに試すことが可能。
Windows、MacOS、iOS、Androidのクロス開発環境。iOS7も対応へ
Delphiは前バージョンのDelphi XE4でiOS対応を実現し、Windows、MacOS、iOSのクロス開発環境を実現していました。今回のバージョン「Delphi XE5」でこのクロス開発環境にAndroid対応を加えたことになります。
関連記事:Windows対応のビジュアル開発環境「Delphi」がiOS対応クロスコンパイラを搭載。iOSネイティブなアプリ開発を実現
Delphiの内部にはソースコードをWindowsやMacOSに対応したネイティブコード、もしくはiOSやAndroidに対応したネイティブコードを生成するクロスコンパイラと、プラットフォームごとのUIなどの差異を吸収するFireMonkeyフレームワークが用意されています。これらのおかげで、ユーザーがプログラミングするソースコードのレベルではどのプラットフォームに対しても共通のコードを記述すれば済むようになっています。
これはつまり、1種類のソースコードからWindows、MacOS、iOS、Androidのいずれにも対応したネイティブコードを、ビルドの設定を変えるだけで生成できることを意味します。
開発元のエンバカデロ・テクノロジーズ社内では、アップルからリリース予定のiOS7への対応作業もほぼできあがっており、近いうちに何らかの形で製品に反映させていくとのことです。
Delphi XE5は9月12日から国内でも販売開始済み。あわせて、Delphi XE5、C++ Builder XE5、HTML5 Builder XE5などの製品が含まれた「RAD Studio XE5」も販売が開始されています。
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