シスコがフルフラッシュストレージベンダの「WHIPTAIL」を買収。サーバ、ネットワーク、フラッシュストレージを垂直統合へ
米シスコはフルフラッシュストレージの新興ベンダである「WHIPTAIL」を買収すると発表しました。
ネットワーク機器大手のシスコは2009年にCisco Unified Computing System(UCS)というブランドでx86サーバ製品群の提供を開始、今回のWHIPTAILの買収でストレージ製品を持つことになり、自社でサーバ、ネットワーク、ストレージの垂直統合を実現するベンダとなりました。
シスコはデータセンター向けにサーバ、ネットワーク、フラッシュストレージの垂直統合製品を展開していく意向をプレスリリースで明らかにしています。
"We are focused on providing a converged infrastructure including compute, network and high performance solid state that will help address our customers' requirements for next-generation computing environments," said Paul Perez, vice president and general manager, Cisco Computing Systems Product Group.
“私たちはコンピュート、ネットワーク、そして高性能なソリッドステートが集約されたインフラ(converged infrastructure)の提供にフォーカスしており、それはお客様の次世代コンピューティング環境への要求に対する解決策となるだろう。”
シスコが買収したWHIPTAILは、2009年創業のフルフラッシュストレージ専業ベンダ。最初からフラッシュを前提にして設計された共有ストレージアレイは、高性能と柔軟な拡張性が特徴です。ノードの追加によってスケーラブルにストレージを拡張でき、3TB~12TB程度の容量と25万IOPS程度の小規模モデルから、360TBで400万IOPS性能を提供する大規模モデルまでを用意しています。
インターフェイスは10GbE、8GB/4GBファイバーチャネル、Infinibandに対応し、NFS、SRP、iSCSI、Fiber Channelでアクセス可能。
サーバ市場は垂直統合製品のぶつかりあいになる
シスコはこれまでストレージベンダのEMC、NetAppらと協力して垂直統合製品を提供してきました。EMC、VMware、Ciscoの3社の協業では、Cisco UCSとEMC VNX/VMAX、そしてvSphereなどを統合した「Vblock Infrastructure Package」を構成。大規模データセンターをターゲットにしています。
一方NetAppとはCisco UCSとNetAppのFASシリーズのストレージなどを組み合わせて「FlexPod」を構成、中小規模のユーザー向けに提供しています。
シスコが自社製品としてストレージ製品、しかも成長著しいフラッシュストレージ製品を揃えたことで、こうしたストレージベンダとの関係が今後注目される一方、IBM、ヒューレット・パッカード、デル、オラクルなど、垂直統合製品を先行して提供しているサーバベンダとは本格的な競合がはじまることになるでしょう。
いずれにせよ、これからサーバ市場は垂直統合製品同士のぶつかりあいになる、ということがはっきりしてきました。
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