VMwareがパブリッククラウド市場に本格参入。「vCloud Hybrid Service」はオンプレミスのVMware環境との互換性が特長
VMwareは5月21日、パブリッククラウドとなる「vCloud Hybrid Service」を発表しました。VMwareは、パッケージベンダから、自社でデータセンターのインフラに投資しクラウドサービスを提供するサービスベンダーへと踏み出します。同社は、パブリッククラウド市場でAmazonクラウドやWindows Azureなどと直接競合することになります。
VMware環境をそのままクラウドへ移行可能
vCloud Hybrid Serviceの最大の特長は、オンプレミスのVMware vSphere環境と互換性があるため、そのままパブリッククラウドへ移行できる点にあります。
既存のVMware vSphere環境で稼働しているあらゆる業務アプリケーションは、そのままクラウド化が可能。
また、当然ながらVMwareが提供する同一ツールでオンプレミスとクラウドの両方を管理可能。また、既存のデータセンターのネットワークをレイヤ2、レイヤ3のレベルでvCloud Hybrid Serviceに拡張し、セキュアな仮想ネットワークの構築が可能と説明されています。
パブリッククラウドでの存在感を高めるためにVMware自身が乗り出した
VMwareはこれまで、同社ソフトウェアを用いたパブリッククラウドについてはvCloudとよ呼ばれるパートナー認定制度によって、パートナーによる展開を推進してきました。日本国内ではソフトバンクテレコムが認定パートナーとしてサービスを開始しています。
しかしvCloudがパブリッククラウド市場で存在感を得ることはできておらず、一方でAmazonクラウドやWindows Azure、Google Cloud Platformなど、大手パブリッククラウドのプレイヤーは急速に強化を進めています。
企業向けのプライベートクラウド向けソフトウェアではトップを走るVMwareですが、パブリッククラウドでの存在感の薄さは、この先の成長戦略に大きな影を落としつつありました。これを巻き返すには、自社でパブリッククラウドを提供する以外にないという決断をしたのでしょう。
vCloud Hybrid Serviceは、米国で今年の第3四半期に正式リリース予定。日本を含むアジア太平洋地域では、2014年にリリース予定です。
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