Springをベースに、PCとスマホ用の業務アプリケーションを自動生成する「Wagby R7」、ジャスミンソフトが発表
「2005年からWagbyを『自動生成ツール』としてSIerへ営業を行いましたが、受けませんでした。」ジャスミンソフト代表取締役 贄良則氏は、業務アプリケーションの高速開発ツールと位置づけるソフトウェアの新バージョン「Wagby R7」の記者発表で、過去の経緯をこう振り返りました。
最近では徐々に業務特化型で高速な開発を支援するツールが注目されつつあります。例えばGeneXusやWeb Performerなどは業務アプリケーション向けの自動生成ツールとして知名度が高まりつつありますし、広く見ればサイボウズのKitoneやマイクロソフトのLightSwitch、あるいはRuby on Railsなど高度なフレームワークもそうしたトレンドを構成するソフトウェアの1つに入るでしょう。
Wagbyはそうしたトレンドの中で、業務アプリケーションの生成にフォーカスしたソフトウェアの1つといえます。最新バージョンとなるWagby R7では、JavaのSpringフレームワークを基盤とし、Webブラウザ対応の業務アプリケーション用コードを生成。「超高速開発を実現するツール」(贄氏)と同社は位置づけています。
Webブラウザからアプリケーション定義、スマホ用画面も生成
今回発表されたWagby R7の最大の特徴は、ターゲットとなるアプリケーションのパラメータ定義や画面設定などがすべてWebブラウザから可能になったこと。生成されたアプリケーションはSpringを用いた標準的なJavaのコードとなっているため、デベロッパーによるカスタマイズも容易になっているとのことです。
アプリケーションのパラメータは、データモデルを定義した上でビューとなる画面の振る舞いを設定する、という手順が中心となります。
アプリケーション画面はPC用のWebブラウザに対応するだけでなく、スマートフォンにも対応するため、いちいちモバイル用画面を別に設計する必要はない点も高速な開発の支援に役立つでしょう。
画面はいずれもHTML5とJavaScriptでダイナミックなユーザーインターフェイスを実現しています。
Wagby R7の開発環境、および生成されたコードの実行環境のいずれも、稼働環境はサーバOSを問わずJava 7を推奨。WebLogicやWebSphere、JBoss、GlassfishなどのWebアプリケーションサーバにも対応。Oracle、SQL Server、DB2、MySQL、PostgreSQLなどのデータベースに対応します。
価格はプロジェクトごとの月額ライセンスで1万4490円から、利用者数やアプリケーション数の制限がない無制限開発ライセンスが262万5000円など。2013年9月末にプレビュー版を公開し、2014年1月に正式版をリリース予定。