PR:新機能「Windows Azure仮想マシン」、最新のHyper-Vとデフォルトで六多重になるストレージ ~ Windows AzureのIaaS機能とは何か?(前編)
Windows Azureに期待の新機能「Windows Azure仮想マシン」が登場した。Platform as a Service(PaaS)として登場したWindows Azureで、仮想マシンのレベルからカスタマイズ可能なIaaS機能が利用可能になる。
Windows Azure仮想マシンを利用すれば、自社のWindows Server環境を今以上に容易にクラウドへ移行でき、必要であればLinux環境でさえ移行することができる。ハイブリッドクラウドの構築も含めたクラウド活用の可能性が一層広がるのだ。
ここでは、日本マイクロソフトがパートナー向けに行った特別セミナーの内容を基に、Windows Azure仮想マシンがどのようなものかをレポートしよう。
新機能「Windows Azure仮想マシン」とは?
そもそもWindows AzureはPaaSとして開始されたクラウドだった。そこに、追加されるのが新機能「Windows Azure仮想マシン」だ。
仮想マシンを実行する場所は世界に8カ所あるWindows Azureのデータセンターから選択でき、永続性のあるストレージはBLOB機能によって実現される。もちろん、Windows Azure仮想マシンは、Windows Azureのほかの機能とも密接に連携して作動する。
セミナーの講師を務める日本マイクロソフト クラウド&ソリューションビジネス統括本部 佐々木邦暢氏は、Windows Azure仮想マシンをセミナー冒頭で次のように説明した。
「世の中のクラウドで提供されている仮想マシンのようなもの、というとイメージしやすいと思います。クラウドの中にあるHyper-Vの上で任意の仮想マシンが作れて、自由にソフトウェアがインストールできます。それを自由に使ってください」。
Windows Azure仮想マシンが対応するOSは、Windows Server 2008R2やWindows Server 2012などのWindows Serverだけでなく、64ビットLinux OS のCentOS 6.3、SUSE Linux Enterprise Server 11、Ubuntu Server 12.04.1 LTSなども含まれている。
佐々木氏「Windows AzureのハイパーバイザはWindows Server 2012のハイパーバイザそのものですから、仮想マシンのやりとりがスムーズにできます。地上のHyper-V(オンプレミス用)と空の上のHyper-V(クラウド用)という関係になっています」
仮想コアと物理コアは1対1対応
仮想マシンの作成時に選択できるサイズは以下のようになる。
高スループットの要求に応えられる「メモリ集中型インスタンス」として、4仮想コア28GBメモリの「A6」サイズ、8仮想コア56GBメモリの「A7」サイズのインスタンスも新たに利用可能になった。
さて、SサイズからXLにかけてコア数が1、2、4、8と倍々になっているのには理由があると、佐々木氏は説明する。
「Windows Azure仮想マシンの仮想コアは、XSサイズを除くと物理コアに1対1対応しているんです。つまり物理的なコアが1つ丸ごと、仮想マシン上のコアに相当します。オンプレミスのHyper-Vでは1つの物理コアに複数の仮想コアを割り当てて、サーバーの集約率を高める『オーバーサブスクリプション』が可能ですが、Windows Azureでは集約率よりもパフォーマンスを重視して、このような余裕のある構成になっています。」
これは、Windows Azure仮想マシン上では他のユーザーが行っている処理に関係なく、物理コアが持つ能力を十分に受けることができることを示している。
いまのところ仮想マシンの最大サイズは8コアだが「これはAzure当初の物理サーバが最大8コアだったのでそうなっています。いまはマシンも入れ替えているので、やがてもっと大きなサイズが出てくるかもしれません」(佐々木氏)
6多重に冗長化されたストレージ
Windows Azure仮想マシンのシステムディスクやデータディスクは、Windows AzureのBLOBにVHDファイルとして配置される。
「BLOBに書き込まれたデータは、必ず3カ所に保存されます。このとき、別々のラックにあるサーバへと散らすようになっています。Windows Azure仮想マシンは必ず3多重になっているので、一般のオンプレミスのHyper-Vで構築した仮想サーバよりも多重性は上でしょう」(佐々木氏)
さらにデフォルトで拠点間複製も有効になっている。拠点間複製は同じリージョン内のサブリージョン同士になるので、日本が含まれるアジア太平洋リージョンでは、東アジアの香港と東南アジアのシンガポールの拠点間でデータの複製が行われる。つまり、1つのデータ書き込みは合計で6カ所に保存されることになるのだ。なお、先日開設計画が公開された「日本リージョン」では、首都圏と関西圏の2つのサブリージョンが予定されており、この2つのあいだでの拠点間複製が可能になる予定だ。
Windows Azure仮想マシンには、仮想ディスクを追加接続可能だ。追加ディスクもBLOBの上にVHDとして保持されるが、VHDは最初にストレージ容量として確保した分が固定サイズとしてとられる。ただし、最初にクイックフォーマットをすることで、データを書き込んだ分だけ課金されるようになるため、追加ディスクのフォーマットを間違えないようにする点には注意が必要だ。
また、Windows Serverの機能を使うことで、複数の追加ストレージを束ねて1つの大きなボリュームにすることなどが可能だ。
≫後編へ続きます。後編では仮想マシンの可用性を実現する仕組み、そして仮想ネットワーク機能について解説します。
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(本記事は、日本マイクロソフト提供のタイアップ記事です)
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