モバイルアプリケーションはクラウドの延長にあると考えるべき。セールスフォース・ドットコムにクラウド時代のモバイルアプリ開発を聞いた
米セールスフォース・ドットコムは、クラウドをプラットフォームとして提供するForce.comやHerokuで多くのデベロッパーから支持されています。PaaS型クラウドベンダとして最も実績のある企業の1つです。
同社のクラウドプラットフォーム上ではどのようなデベロッパーが成功しているのか、そして同社が急速に傾倒しているエンタープライズ向けのモバイルアプリケーションについてどう考えているのでしょうか。米セールスフォース・ドットコムでテクニカルプラットフォーム担当マーケティングディレクターのクイントン・ウォール (Quinton Wall)氏に話を聞きました。
クラウド時代に成功するデベロッパー
──── クラウド時代には、どんなデベロッパーが成功するのでしょうか?
私たちのデベロッパーコミュニティは100万人を超えたところですが、そのうち多くのデベロッパーは、Javaや.NETなどの経験があるエンタープライズ分野のデベロッパーです。一方で、JavaScriptなどを用いて素早くアプリケーションを作るコンシューマ分野のデベロッパーも増えてきています。
しかしながら、私たちが考えるクラウドでもっとも成功するデベロッパーとは、プログラミングを学んだことがない、ビジネスユーザーが自分のニーズに合わせて開発する、そういう人たちが成功しているデベロッパーだと思っています。
──── しかしビジネスユーザーが自分でアプリケーションが作れるとしたら、プロフェッショナルなデベロッパーは何をすればいいのですか?
ビジネスユーザーがアプリケーションを開発するために、コードをカスタマイズするニーズはつねにあります。しかしそれを実現するには、しっかりとデベロッパーがビジネスを理解する必要があるでしょう。
モバイルはクラウドの延長として考えるべき
──── 御社では、企業向けのモバイルアプリケーションはクラウドファーストという考え方が重要だと指摘されています。クラウドファーストとは具体的にどういうことなのでしょうか?
どの企業もオンプレミスのアプリケーションを運用しおり、これはなくなったりしないでしょうが、イノベーションは難しいだろうと思います。
そこで新しいアプリケーションをまずクラウドで作り、それをバックエンドとしてのオンプレミスアプリケーションと連係すること。これがクラウドファーストです。クラウドファーストによって、モバイルなども含めた新たなシステム連携が可能になります。モバイルアプリケーションは単独で存在するのではなく、クラウドの延長として考えるべきだと思います。
──── 日本のデベロッパーとお会いになって、特徴として感じるところはありますか?
モバイルアプリケーションの開発手法としてネイティブ開発に興味があるのではないかと考えていましたが、予想以上にHTML5やJavaScriptへの興味が大きいように思え、期待しています。
おそらく多くのデベロッパーが、より迅速なアプリケーション開発やイノベーションを優先して追求したいのだと思います。