マイクロソフトが唱える新戦略「デバイス+サービス戦略」
マイクロソフトはいま、全社を挙げて「デバイス+サービス」という戦略に向かっています。これは数年前に同社が「3スクリーン+クラウド戦略」としてWindows、XBOX、Windows Azure、.NET、Silverlightなど、同社のソフト、ハードすべてをまとめた戦略を刷新したものです。
スティーブ・バルマーCEOが23日にWindows Azureの日本リージョンを発表したときにも、バルマー氏はまず「デバイス+サービス」戦略に触れ、そのうえでWindows Azureの重要性を位置づけていました。
新戦略の「デバイス+サービス」とはどのようなものなのか。米マイクロソフトでシニアプログラムマネージャーの肩書きを持つ成本正史に聞きました。以下は、成本氏の説明を要約したものです。
デバイス+サービス戦略
「デバイス+サービス」は、昨年末くらいからマイクロソフトが唱えている次世代の戦略方針です。
デバイスとは、ビル内のセンサーや工場内のセンサー、カメラ、RFIDなど多岐にわたっていて、大量のデータを生成します。これらのデバイスとクラウドが連携することで、新しいことが実現できます。
例えば、マイクロソフトのレドモンド本社のビルには何万個ものセンサーを備えていて、どこかが故障すればそれをすぐに検知して修理したり、人のいない場所の明かりは自動的に消すといったことで、大きな節約が実現できています。
こうしたデバイスを活用するサービスはクラウド上に構築されます。もちろん、Windows以外のデバイスにも対応していき、オープンな方法でAPIやデータを公開していきます。
デバイスとクラウドを組み合わせたサービスのシナリオは無数にありますが、その背景にある機能性はある程度共通化できます。マイクロソフトはそれを提供していくのです。
マイクロソフトには、デバイスのOS、コネクティビティ、クラウドのプラットフォームが揃っています。.NETのコンポーネントもポータブルになっています。
例えばWindows 8のモダンUIもそういう考え方の上に作られています。従来のアイコンをベースにしたUIでは、80インチの大画面では不細工になります。モダンUIならば、タイル型の画面でヘッドライン的な情報を表示して一覧性をあげることも可能です。
しかし大事なことは、これを必ずしもマイクロソフト単独ではなく、パートナーといっしょに協業して実現していくことです。そのためにサービスのプロトコルもオープンなものにし、Windows以外のさまざまなデバイスにも対応していきます。
Windows Azureの優位性
デバイス+サービスで大事なのはクラウドの優位性です。Windows Azureは可用性、スケーラビリティ、性能などプラットフォームのトータルで見てナンバーワンだと思っています。
しかもIaaS、PaaS、それにOffice 365などのSaaSと、あらゆるシナリオに対応する豊富な選択肢を揃えています。またパートナーのネットワークも充実しており、お客様がWindows Azureでシステムを構築したいときに、それをサポートするパートナーは必ずと言っていいほど存在するでしょう。
コンシューマ、エンタープライズにかかわらず、マイクロソフト全体がこのデバイス+サービスの戦略に向かっています。
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