これから数年内に、インメモリコンピューティングは戦略的要素になる。米ガートナー
「高コストで複雑なインメモリコンピューティングは、これまでは金融やテレコム、軍などの限られた、技術に明るい分野でしか採用されなかった。しかし、現在ではより安価で確実なものになっている」。米調査会社のガートナーは、今後インメモリコンピューティングの中核をなすインメモリデータグリッドの市場が2016年までに10億ドル(約950億円)になるだろうという予測を明らかにしています。
インメモリデータグリッドとは、インメモリで動作するNoSQLデータベースと言っていいでしょう。ガートナーは次のように定義しています。
a form of application platform middleware that implements a distributed, reliable, scalable and (strongly and/or eventually) consistent in-memory NoSQL data store — referred to as the 'data grid' — shareable across multiple and distributed applications.
アプリケーションプラットフォーム形式のミドルウェアで、分散処理が可能で信頼性があり、スケーラブルで(強い、もしくは結果的に)一貫性のあるインメモリのデータストア — ‘データグリッド’と見なされるもの — で、複数かつ分散したアプリケーションから共有されるもの
インメモリコンピューティングの普及はDRAMやNANDフラッシュメモリの低下がその主な要因で、これにより複雑で大規模なクエリを大規模なデータベースに対して発行するようなアプリケーションがいまより容易に実現できるほか、数時間かかっていたような大規模バッチが数分から数秒に短縮することにもなるだろうとのこと。
"During the next two to three years, IMC will become a key element in the strategy of organizations focused on improving effectiveness and business growth.
これから2~3年内には、インメモリコンピューティングは効率性やビジネスの成長にフォーカスした組織において重要な戦略的要素になるだろう。(ガートナーフェローのMassimo Pezzini氏の発言)
ただしまだインメモリコンピューティングの市場は多くのスタートアップを含むベンダがひしめいて流動的であり、買収などによる市場の統合が起きていくだろうとも予測されています。
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