ノートPCはさらに薄くタッチ対応に、タブレットにも変形。デスクトップPCはファンレスへ、インテルが示すこれからのPC。IDF Beijing 2013
「ベストなPCとベストなタブレットが1つのデバイスになり、両方を持ち歩く必要はなくなる」。インテルのカーク・スコーゲン(Kirk Skaugen)氏は、同社が目指す新しいUltrabookの姿をこのように示しました。
先週4月10日から11日かけて中国北京で開催された「Intel Developers Forum Beijing 2013」(IDF Beijing 2013)では、今年登場が期待される最新プロセッサのHaswell(コード名)と、それを搭載したUltrabookがどのようなものになるのか、インテルがはっきりとその姿と方向性を示したイベントとなりました。
プレス向けに公開された情報から、同社PCクライアントグループ、カーク・スコーゲン(Kirk Skaugen)氏の基調講演をダイジェストで紹介します。
ノートPCを再発明し、2 for 1コンピューティングを展開する
インテル PCクライアントグループ、シニアバイスプレジデント&ゼネラルマネージャ Kirk Skaugen氏。
2011年に初めてUltrabookと呼ばれるカテゴリを導入し、昨年大きく成長した。米国では市販の66%のUltrabookですでにタッチ対応で出荷されている。
今年2013年にはノートPCを再発明(Reinvent)する。新しい体験である「2 for 1コンピューティング」を開始し、それをインテルの第四世代プロセッサで推進できればと思っている。
UltrabookによってノートPCはさらに薄くなった。さらにイノベーションは続いていく。次の大きな出来事はタッチ対応だ。そして「2for1」というトランスフォーメーションがこれを加速していくだろう。その次には音声対応が続くと確信している。
私たちはみな、消費と作成をする。電話やタブレットで情報を消費する一方、絵を描いたり本を書いたりとクリエイティブなこともする。
新しいカテゴリであるUltrabook Convertible&Detachable、「2 for 1」コンピューティングでは、ベストなコンピュータとすばらしいタブレットの組み合わせだ。レノボ、ソニー、デルなどから製品が登場している。
2013年、2014年にこのカテゴリはさらに成長していくだろう。デタッチはタブレットファーストな11.6インチスクリーンモデルで、コンバーチブルは13.3インチスクリーンを備えクラムシェルファーストでタブレットにも変形する、というものだ。
ベストなタブレットとベストなPCが1つのデバイスになるというもの。
第三世代のプロセッサに、さらに低消費電力である7ワットにまで消費電力を抑えたプロセッサを投入する。さらに薄く、バッテリの保つデバイスが作れる。
第四世代プロセッサは従来の20倍も消費電力を抑えた
これはまだ始まりである。第四世代のプロセッサはUltrabookカテゴリのために最初から設計し直したプロセッサであり、すでにOEMに出荷を開始した。
第二世代のプロセッサと比較して20倍も消費電力を抑えた。これはインテルの歴史上最大の下げ幅である。またパッケージにEDRAMを統合するなどでグラフィック性能を飛躍的に高めた。このグラフィック性能は、従来の専用グラフィックチップと肩を並べるものになっている。
第四世代プロセッサのUltrabookではタッチ対応が要件になる。いずれ音声対応によりコンピュータと対話もできるようになるだろう。
新機能のAlways Fresh Dataでは、ノートPCを閉じていてもメールやソーシャルメディアなどの情報はアップデートされ、ノートPCを開いたときにはすでに最新の状態になっているというものだ。
こうした機能をもつ製品は今年の終わりには(Later this Year)登場。第四世代プロセッサは今四半期にローンチ予定だ。
デスクトップPCはファンレスに
インテルは今年のホリデーシーズンまでに新しいマイクロアーキテクチャの「Bay Trail-M&D」プロセッサを出す。MはモバイルのM、DはデスクトップのDを意味する。
このプロセッサで、ノートPC、コンバーチブルPC、オールインワンデスクトップPC、デスクトップPCでファンレスのモデルを実現できる。新しいアーキテクチャではQuadコアまでの性能を備える。
デスクトップPCはオールインワン型へ、そしてイーゼルモデルのタッチ対応へと進化する。デスクトップPCにはこれまでで初めてバッテリを搭載し、家の中を持ち歩けるようになる。
これは家族で楽しめるPCになるだろう。
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IDF Beijing 2013
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