[速報]オラクル、クラウドでOracle DBとWebLogicのPaaS提供へ、IaaSはOpenStack API採用。エリソン氏は基調講演をドタキャン~Oracle OpenWorld 2013
サンフランシスコで開催中のOracle OpenWorld 2013。3日目のクラウドにフォーカスした基調講演では、同社CEO ラリー・エリソン氏が再び登壇する予定でした。
しかしエリソン氏は基調講演の登壇を急遽キャンセルし、同じくサンフランシスコで開催中のヨットレースAmericas Cupで戦っているORACLE TEAM USAの応援へ向かったとのこと。代役としてプロダクトデベロップメント担当 エグゼクティブバイスプレジデントThomas Kurian氏が舞台に登壇します。
ちなみにORACLE TEAM USAは、Oracle OpenWorldが開幕した日曜日に2連勝。この日の夕方にエリソン氏が満面に笑みを浮かべて基調講演に登壇したのはそのせいでしょう。
クラウドに関する基調講演の内容をダイジェストで紹介しましょう。
Oracle CloudはSaaS、PaaS、IaaSを統合的に提供
Thomas Kurian氏。
今日はOracle Cloudに関する3つの大きな発表を行う。
Oracle Cloudはアプリケーション、プラットフォーム、インフラストラクチャーを1つのクラウドで提供する。
アプリケーションサービスは、顧客対応、人材管理、ERPなどを備えたフルスイートなSaaSだ。
Oracle Databaseをクラウドで提供
続いてPlatform Serviceについて。
1つ目の発表は、Oracle Database as a Serviceだ。
Oracle Database as a Serviceは、クラウド上で専用のデータベースインスタンスを提供する。Oracle 11g、Oracle 12cを選択でき、シングルノードか複数ノードのRAC構成か。バックアップやパッチの適用などの運用管理はオラクルが行う。
これはオンプレミスで利用されているOracle Databaseとまったく同じものであり、オンプレミスで使えるツールやアプリケーションはそのまますべて使える。
あとはこのデータベースを使ってアプリケーションを利用してくれればいい。料金は月額サブスクリクションで提供する。
基本機能はOracle Database EE。マネージドを選択すると、オラクルがパッチやバックアップなどを行う。さらに最大の可用性を選択すると、2ノードか4ノードのクラスタ構成で最大の可用性を実現する。
JavaミドルウェアのWebLogicをクラウドで提供
次の発表は、Oracle Java as a Service。
これは専用のWebLogic Serverインスタンスをクラウドで提供する。1つのWebLogicもしくは複数のエラスティックなWebLogicドメインを選択でき、データベースのサービスと同様にパッチやバックアップなどの運用をオラクルが行う。
オンプレミスで利用されているWebLogic Serverと同じツール群がそのまま使える。
Basicではシングルノードを提供、Managedでは1つもしくは複数ドメイン運用で、パッチやアップデート、バックアップ、リカバリなどもオラクルが行い、Maximum AvailabilityではWebLogic ClusterとRACとの統合による可用性の最大化、ディザスタリカバリといった機能も提供する。
こうしたOracle Cloud Platform-as-a-Serviceの特徴は、業界標準のナンバーワンデータベースとナンバーワンミドルウェアが利用でき、しかもオンプレミスと互換性があること、そしてその運用をオラクル自身がすることだ。
PaaSによってSaaSを拡張することができ、しかもインフラをクラウドに置き換えることができる。IT部門が活躍の幅を広げられるだろう。
IaaSはOpenStack APIで操作可能に
3つ目の発表がOracle Infrastructure as a Serviceだ。
Storage Serviceでは、ファイル、オブジェクト、BLOBなどのあらゆるデジタルコンテンツを保存し、管理できる。操作はクラウドのUIもしくはJava、OpenStack SwiftのREST APIに対応する。
Compute Serviceは、テンプレートから仮想マシンを起動できる。インスタンスは標準、CPU重視、メモリ重視といったタイプが選択可能。ネットワークも完全に分離されており、OpenStack APIを通じて管理できる。
オラクルはSaaSによるアプリケーション群、PaaS、IaaSを統合的にクラウドで提供する唯一の企業だ。しかも全体をオラクルが運用している。
これはお客様のプラットフォームを変革し、ビジネスをよりアジャイルにしていくとともに、すべてのIT部門やソフトウェアの提供のあり方を変えていくことにつながるだろう。
Oracle OpenWorld 2013 / JavaOne 2013
あわせて読みたい
Java SEとJava MEが一本化へ。Internet of Thingsの時代に向けて~JavaOne 2013
≪前の記事
[速報]オラクル、Oracleデータベースの遠隔バックアップサービスをクラウドで提供へ~Oracle OpenWorld 2013