Opera、レンダリングエンジンにWebkit採用をブログで発表。まずはスマートフォン向け、その後デスクトップ版も
Operaは今後同社が開発するWebブラウザのレンダリングエンジンにWebKitを採用することをブログで発表しました。最初にWebkitベースになるのはスマートフォン向けの製品で、その後デスクトップ向けやその他の製品にも適用されるとのこと。
ブログ「300 million users and move to WebKit」の冒頭で同社のBruce Lawsonは次のように書いています。
On the same day as announcing that Opera has 300 million users, we're also announcing that for all new products Opera will use WebKit as its rendering engine and V8 as its JavaScript engine.
3億ユーザーに到達した発表と同時に、私たちはすべての新製品でWebKitをレンダリングエンジン、V8をJavaScriptエンジンとして利用することを発表する。
最初にWebKitベースになる同社のスマートフォン向け製品は、今月末にバルセロナで開催されるMobile World Congressでデモされる予定で、その後デスクトップ版やその他の製品も順次WebKitベースになると説明されています。
ブラウザをよりよくすることにフォーカスする
なぜWebKitを採用するのか、その理由は次のように記されています。
Instead of tying up resources duplicating what's already implemented in WebKit, we can focus on innovation to make a better browser. Opera innovations such as tabbed browsing, Speed Dial and data-saving compression that speeds up page-load, have been widely copied and improved the web for all.
すでにWebKitで実装されているものに、私たちが重複してリソースを割く代わりに、私たちはブラウザをよりよいものにするためのイノベーションにフォーカスできる。Operaはタブブラウジング、スピードダイアル、ページロードのためのデータ圧縮など、Webで広く使われているイノベーションを実現してきたのだ。
スマートフォンの世界ではiOSもAndroidもWebKitが事実上標準のレンダリングエンジンになっている状況で、Operaが独自にレンダリングエンジンを維持し続けるよりもWebKitを採用するという判断を下したことは、ビジネス上合理的なものだといえるでしょう。
また、Webサイトやモバイル向けサイトのデベロッパーやデザイナーにとっては検証すべき環境が減ったことで、この判断は歓迎されるものになるはずです。
一方で、スマートフォンのWebブラウザにはまだシェアは小さいもののマイクロソフトのInternet ExplorerとモジラのFirefoxがあります。WebKitの存在感がこれでまた大きくなったとはいえ、競争を維持することがWebの健全な発展に寄与すると考えると、この二者には引き続きがんばってほしいとも思います。
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