JavaScriptベースのEPUB 3リーダーが相次いで公開「Readium.js」と「Epub.js」。いずれもオープンソースで
Webブラウザを用いJavaScriptで実装をしたEPUB 3リーダーが相次いで公開されました。1つはEPUB 3を策定したIDPF(International Digital Publishing Forum、国際電子出版フォーラム)が後押しするEPUB 3リーダーのリファレンス実装開発プロジェクトのReadiumが発表した「Readium.js」、もう1つは、米Berkeley大学による「Epub.js」です。
どちらもgithubでオープンソースとして公開されています。
電子書籍のフォーマットとして策定されたEPUB 3は、HTML5/CSS3などのWeb標準がベースになっています。そのため、EPUB 3リーダーはWebKitなどのWebブラウザのレンダリングエンジンをほとんどそのまま利用しており、いわばWebブラウザとEPUB 3リーダーは兄弟のようなものといえます。
Readium.jsとEpub.js
Readium.jsは、ReadiumのWebコンポーネントをパッケージとしてまとめたものだと説明されています。プレスリリースから引用します。
Readium.js packages together a modular collection of JavaScript modules focused on online deployment of EPUB content, under the umbrella project name "Readium Web Components". Readium Web Components can be reassembled and configured by developers in a variety of ways to create completely custom reading experiences.
Readium.jsは“Readium Web Components”プロジェクトの下で、EPUBコンテンツをオンラインで展開することに焦点を当てたJavaScriptモジュールをパッケージにまとめたものです。Readium Web Componentsはデベロッパーが自由に再構成することで、完全にカスタマイズされたさまざまな読書体験を作成できます。
もともとReadiumプロジェクト自体がEPUB 3リーダーのリファレンス実装を目指すものだったため、JavaScript版のReadium.jsも同じようにEPUB 3リーダーをJavaScriptで実装する際の参考になることを目指してコンポーネント化され、それをまとめたものが今回のReadium.jsになったわけです。
一方のEpub.jsは、さまざまなデバイス上でEPUBをレンダリングするためのJavaScriptライブラリとのことです。
どちらもサンプルとして「Moby-Dick」が読めるようになっていたので、表示させてみました(Windows 7のChromeブラウザ)。微妙にレンダリング結果が異なっています。
あわせて読みたい
AndroidとChromeは統合し、Packaged Web Appsが重要になる。丸山先生が予想する新しいアプリケーションの形
≪前の記事
クラウドへ基幹システムを移行する東急ハンズ。決断したきっかけ、システム構成、メリットを語る。AWS Summit Tokyo 2013